裁判は法廷の中だけで起きてるんじゃない!(前編)

裁判No.15
事件:「道路交通法違反」 概要)飲酒運転で接触事故
被告人:30代半ばの女性
傍聴席:5人


裁判の中身は「続きを読む」からどうぞ。


春の甲子園が始まって、普段よりテンション2割増しの「普通」です。普段は、こんな下らないタイトル思いついても採用しないんですけどね。
今回もはりきって参りましょう。


どんでん返しって言葉があるじゃないですか。
スポーツとかドラマとか、最後にまさかっていう展開になることね。小説なんかでも、よく使われる手法ですよね。

黒い家 (角川ホラー文庫)

黒い家 (角川ホラー文庫)

この作品、ジャンルとしてはサスペンスホラーっていうのかな、NON STYLEM-1の決勝でやった「ほら〜」とかいうつまらないネタじゃなくて、こっちは純然たるホラーね。この作品では、最後の最後というより、中盤からラストにかけてどんでん返しがあるのね。まぁ、ありがちと言えばありがちなんだけど。
ただ、そのどんでん返しが起きる瞬間っていうのが、最初に読んだとき高校生だったんですけどね、僕には恐くて恐くて。いまだに、あの鳥肌が立った感触は忘れません。というわけで、




お薦めです!


さぁ、コーナー戻します。
どんでん返しの衝撃というのは、そこにいたるまでの過程があり、登場する人物の描き方やなんやらいろんな要素が絡んできて、……まさか!?になるわけじゃん。
というわけで、どんでん返しフラグをバンバン立てているわけですから、今回の裁判に関わる人物は詳細に描いていきますよ。誰かが、僕を足元からひっくり返すようなことします。そりゃあ、前後編にも分けて書きたくもなりますって。

人物No.1 普通
私、管理人。

今日も、とある裁判所へ向かう僕。今日の刑事事件の法廷は5階に唯一ある501号法廷。1階にちょうどエレベータが停まっていたので、そのまま5階に向かいます。
エレベータで5階に着くと、右手にお手洗い、左手に法廷、法廷の前にはベンチ、ベンチの近くに待合室*1があります。裁判まで時間があったので、待合室に入ろうとしたのですが、そこには女性3人の先客が。なにやら、裁判の打ち合わせをしていたようなので邪魔しちゃ悪いと、僕は法廷前のベンチに座り開廷を待つことにしました。
僕はドアを開けてないですからね、最初から開いていたんです。そしたらね、部屋の外のベンチに座っている僕にも、バンバン打ち合わせの声が聞こえてくるんですよ。っていうか、声の大きさ自重してほしい。

弁「事故を起こしたことをどう思っていますか?」
被「自分でも驚いています」
弁「相手の人のことはどう思っていますか?」
被「とても申し訳ないことをしたと思っています」
弁「私ばっかりが喋ってもしょうがないんでね、もうちょっと喋ってもらってもいいですか?

質問のリハやってるんですよ。ここまで、きっちりとした打ち合わせを聞くのは初めてです。ってか、やんなよ!こんなとこで
ちなみに、裁判の被告人質問では聞かれたことにのみ答えることが認められているので、もうちょっと喋ってっていう弁護士の指摘はおかしい。

人物No.2 弁護士
若い女性。はきはきと喋る。

人物No.3 被告人
この時点では、何をやったかは不明。言葉少なめだが、声を聞く限りでは、裁判に対して沈んでいるというより、ヤル気がない、反抗的な態度に感じる。

さて、被告人質問……じゃなかった、被告人質問のリハに戻ります。

弁「どうして今回、このようなことを起こしてしまったのですか?」
被「子どもとの久々の外食で、浮かれていたと思います
弁「う〜ん、何かセリフっぽいですね、書いたのとは別に自分の言葉で言ってもらってもいいですか?

最近の弁護士は大変です。セリフの指導までやるんですから。
今回の話、誇張じゃないですからね。僕だって、すごく驚いているんですから。
前回、メモ書きを読みながら質問に答えていた男がいましたけど、大して差はないですね。単なる作られた反省の言葉を丸暗記しているだけですから。

弁「お酒を飲んで運転してはいけないとわかっていますよね?」
被「はい」
弁「お子さんとの久々の食事に浮かれていた、その気持ちもわかりますけど、運転に対しての意識が弱いんじゃないんですか?」
被「………………」

やっぱ、カンペ持ってきて!ダメだって、この人。飲酒運転して事故を起こしたのはわかったけど、罪の認識弱いって。
子どもとの食事に浮かれるのはわかります。それで、子どもとの会話に夢中になって事故を起こしました、それはダメなことだけど、浮かれていて事故を起こしましたが辛うじて通じないこともない。僕にはね。でも、だから酒を飲みました、運転しました、事故を起こしましたってのは子ども関係ないから。

弁「お母さん、被告人をちゃんと面倒みてあげてください。子どもがかわいいというのは、わかりますけど、それで事故を起こしてしまうのでは、子どもさんもかわいそ過ぎます」
母「はい、大変申し訳ありません」

人物No.4 被告人の母・後の情状証人
終始、涙声。被告人より、この人のほうが反省してそう。


さて、リハも終わったところで、法廷の鍵が開きました。次回、実際の裁判の様子を書いていくわけですが。
例えば、誰が聞いても凶悪な犯罪や、全く反省の色を見せない答弁なんかを聞いて、ぽか〜んってなってしまうことは間々あります。ただ、まさかあんな場面でいい意味で裏切りが起こるとは誰が予想できるでしょうか。

人物No.5 裁判長
いつもニコニコで基本やさしい。ただ、時にびっくりするくらい厳しいお言葉も。

人物No.6 検察官
僕にはお馴染みの人。ただ、今回は言葉少なめ。

さて、必要人物が揃ったところで、また次回。

*1:裁判関係者じゃなくても誰でも入れる部屋。法廷が開くまで、そこで待っていたり、証言の打ち合わせなどをしたりします。