【アンケート】裁判と聞いて思い浮かべるフレーズは?

裁判No.19
事件法人税法違反 概要)税金ちょろまかして車とかマンションとか買う。
被告人:30代半ばの男性2人
傍聴席:10人弱


裁判の中身は「続きを読む」からどうぞ。


こんな誰が読んでんだかわからない、冒頭の挨拶を考えるのが一番時間がかかっている「普通」です。
今回もはりきって参りましょう。


「普通」調べ、裁判と聞いて思い浮かぶセリフ、シーンは?(たまたま「普通」の近くにいた5人程度への調査)
第3位 「誘導尋問だ!
証人または被告人に対しての質問で、あらかじめ用意してある答えを言わせようとする質問に対して、反対側が言うセリフですね。ちなみに、僕はこの言葉を法廷で聞いたことはありません
第2位 「(目の前にある木槌みたいなのをトントンやって)静粛に!
ザワつく傍聴席などに対して発せられる裁判長のお言葉ですね。僕は、この言葉も聞いたことはありません。ちなみに、ザワついてたら普通に、「はい、静かにして〜」と言います。
そして、栄えある第1位は……これは、記事の中で発表します。

被告人は30代の男性2人。
何をやったかは、よくわかりません。だって、ノートに何も書いてないんだもん。傍聴初心者のころの話ですから、よくわからなかったんでしょうね。
断片的に、車とかマンションとか書いてあるんで、まぁ多分税金をちょろまかして買ったんだと思います。

検察官は1人なのに対して、弁護士は2人。被告人1人につき、弁護士が1人ついているようです。
検察官が起訴状の朗読をやって冒頭陳述*1をやって、証拠の請求をやったところで第1回目は終了。次回以降で、弁護士側が証拠の請求を行うとのこと。

裁「では次回、弁護側の立証を行います。弁護人、証拠の立証予定はありますか?」
弁A「はい。まず書証といたしまして、弁1号証から弁5号証。それと証人といたしまして、被告人の妻であり、現在被告人が勤務している会社の取締役である○○の証人尋問を請求いたします

提出する証拠が裁判で使われるためには、弁護士だったら検察官、検察官だったら弁護士の同意がなければ証拠として認定されません。つまり、相手方が不同意とし、それが認められれば、裁判の判断の材料にされないということです。
ですので、裁判長は聞きます。

裁「検察官、今弁護士から請求のありました証拠についてのご意見は?」

さぁ、ここで来ました、先ほどの「裁判と聞いて思い浮かぶセリフ、シーン」の調査結果、第1位の発表です。皆さん、お手持ちのオッズ表を確認してください。
さぁ、第一位は!!

異議あり!!
請求のあった証人は、裁判とはなんら関係ないと思われるため、賛同しかねます」

そうです、答えは「異議あり!!」でした。
ただねぇ、この場面一つ問題があったんですよ。弁護士が請求した証拠に対して異議を申し立てるというのは、自然な流れではあるんですけど、その異議を申し立てたのは、


もう一人の弁護士、弁護士Bだったんです。
仲間内で、被告人を弁護するのを必要だとAが言ったかと思えば、Bが不必要とか言う揉め事が起こったんです。そんなの法廷でやるなよ……。

弁B「裁判長、この証人は私のほうへ何の相談もなく勝手に裁判に出るとか言っているんです。そんなの信用できるはずがありませんし、事件とも無関係です」

すごい怒ってます。
よくわからないのが、弁護士Bが担当する被告人の証人ではないので、相談がないのは当たり前かと……。それに事件と無関係でも、ってか関係あったら被告人になっちゃいますけど、被告人の生活態度やら証明できることはいくらでもあるから、却下する理由なんぞないんです。

裁「でも、再犯の防止につながるということも考えられると思いますので、裁判所*2としては、承認してもいいと考えているのですが」
弁B「それは、そうかもしれませんけど……ぶつぶつ」

おい、いい加減にしろよ、オッサン。
それでも、何か言いたげな弁護士Bを無視して、裁判長は検察官の方を向いて聞きました。

裁「検察官、弁護士から請求のありました証拠についてのご意見は?」

ここで、よくある回答というのは、認める場合、「書証については同意いたします。証人については然るべく」。これが模範解答。
しかし、裁判長も弁護士Bがさらにモゴモゴ言う前にとっとと話を進めたいと思ったのか検察官に早口で聞いていましたし、検察官も空気を読んだんでしょうね。焦った感じで答えました。

裁「検察官、弁護士から請求のありました証拠についてのご意見は?」


検「ぜひとも

なぜか、熱望していました。
3対1で証人採用は、もはや揺るがない状況です。でもまだ、何かモゴモゴ言ってる弁護士B改め、裁判の進行妨げじいさんを無視して、次回の公判日を決め、その日は閉廷。
閉廷した後、弁護士BはAと目を合わせることなく、とっとこさ法廷をあとにしました。


こんな弁護士に弁護される被告人がかわいそうでなりません。

*1:被告人の前科前歴など個人の情報。それと、検察官が想定する犯行の大まかな筋書き

*2:裁判長は自分のことを裁判所と呼びます