犯罪を推奨する検察官

裁判No.30
事件:「窃盗」 概要)ひったくり
被告人:20代前半の男性
傍聴席:10人強


裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。


おバカタレントっているじゃないっすか。昔でいうなら、岡本夏生や渡嘉敷。最近ならスザンヌとか羞恥心、ニコ動でいうなら「ゆか」ね。

つるっつるの脳みそ 幸福な遺伝子

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で、彼らを見ててさ、コイツらバカだなぁって思うのは当然としても、感心してしまうのがそのおバカ回答に至るまでに一応、頭ん中に答えまでのプロセスがあるんだよね。もちろん、完全に狙ってボケるときもあるだろうけどさ。
そういうときにさぁ、僕とか変にかっこつけてベクトルの向きが違うとか言っちゃうんだけど、実際の答えの正誤はどうであれ、頭の中での考えのもとに答えを導いたのであれば、それはその人にとって正解なんだよね、きっと。と、言ってみたり。今日はそんな話。


恐らくクイズ番組に出てもなんも面白くない結果になると思われる男、いわゆる「普通」です。
今回もはりきって参りましょう。
あ、遅くなりましたが10,000アクセスありがとうございます。今後とも頑張って、色々と垂れ流していきます。

被告人は20代前半の男性。
被告人は自転車に乗り、目の前を歩いていた被害者の後ろにつけ、隙を見て腕にひっかけていた被害者所有のバックをひったくりした疑い。現金4千円、クレジットカードなどが被害に。
クレジットカードは事件発生後、すぐに止めたのでカードによる被害はなかったとのこと。

たいていの犯罪には、決して許されないとはいえ、それを犯した理由が存在します。
食い逃げ犯はお腹が空いていて、痴漢は性欲、もしくは偏った性癖があってとかね。で、それがひったくり犯だとその理由が何になるかってことなんだけど、まぁもちろんお金が目的なわけですよ。
今回の被告人もお金目的。というのも被告人は借金があったため、その返済目的でひったくりを行ったとのこと。
犯情の許せる許せないはおいといて、お金が無いからひったくりをするという流れ自体は把握してくださいね。そうしないと話が進まないんで。


じゃあ被告人はお金がいくら必要だったのか、つまりは借金がいくらあったのかになるんだけど、この人借金が200万円あったんだよ。
200万円の借金をひったくりで賄おうってのは、ちょっと効率悪いんじゃないの?別に効率のいい犯罪を推奨しているわけじゃないけどさ、検察官と違って。

検「どうして、ひったくりを行おうと思ったのですか?」
被「とにかく、少しでもお金を作らないと、と思いひったくりをしてしまいました」
検「そうは言ってもね、あなた普通の道を歩いている人のバックをひったくって、その中に200万円でも入ってると思ったわけ
被「いえ、そうは思いませんが必死だったもので……」
検「そんな少しずつお金を作るより、一気にお金を返済することを考えなかったのですか?200万円もあるんですよ、借金が。それだったら、


人のいない夜間銀行を襲えばよかったじゃないですか?


どうして、夜間銀行を襲わなかったんですか?
被「それは、思いつかなかったので……」
検「じゃあ、思いついていたら夜間銀行を襲う可能性もあったと

そりゃあ誘導尋問だよ。あんたが、犯罪チラつかせてどうすんだよ。
なんか、自分で放火して真っ先にスクープだ!って騒いでいたどこぞの放送局員みてぇだよ。


まぁそれはそれとしまして。
でね、この被告人がなぜ逮捕されたかというと、被告人の共犯が別件で一人でひったくりをやってたときに捕まっちゃって、そのとき過去の犯罪もゲロっちゃったみたいなのね。
なので、被告人の逮捕までは事件発生から4か月という時間が経っていました。4か月間、特に周りに探られている感じも無ければ、多少はほっとしてしまうかもしれません。

検「事件を起こして、自首などは考えましたか?」
被「最初は、少し考えましたが考えなくなりました
検「事件発生から4ヶ月後に、突然自宅に警察官が訪れたわけですよね?」
被「はい」
検「そのとき、あなたは率直にどう思いましたか?」
被「えっ!?と思いました」
検「その、えっ!?というのはどういった感情なのですか?」






被「驚いたり、びっくりしたときにあげる声です
検「そんなのは、わかってますよ!

いいよ被告人……、面白いよ。
一応、解説しておくと、検察官としては4ヶ月も自首もせずのたまってる訳だから、犯行への反省の意識が薄れているってのを引き出したかったと思うんだよね。その感情を引き出して、してやったり顔をする予定だったのに、普通に突っ込むハメになるとは。


人の頭ん中ってのは、それぞれ違うわけだからさ、200万円の借金がある場合に、ひったくりする人もいれば、夜間銀行を襲えという人もいる。会話にしても、自分の考えた答えを答えてもらうために質問作っても、全く違う思考回路を辿って別の答えに行き着いちゃう。
結局、裁判も裁判官、弁護士、検察官、被告人と違った人がそれぞれの考えでもって一つの結論を導こうとするわけだからさ、そりゃあ色々と悶着はあるよね。そこが面白いんだけどね。