今は亡き5代目円楽師匠に捧ぐ

裁判No.38
事件:「覚せい剤取締法違反」 概要)覚せい剤の使用
被告人:20代後半の女性
傍聴席:2人


裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。


高校二年のときにさ、妙に笑いへの意識が高いやつが集中しちゃってさ。漫才やりたいってやつとか、授業で前に出て発表するときになんか小道具とか用意するやつとか、毎日持ってくる弁当で自虐的ギャグをやるやつとか。僕はバイト先のありえない客というテーマで8割方嘘を交えながらフリートークする係。このブログは100%ホントの話だからね。
あと、定期的に大喜利的なものもやってたね。無茶ぶりが好きだから、僕が今は亡き円楽師匠の役とかやってね。今回の話とまぁ関係あるっちゃぁ……まぁねぇわな。


というわけで、一度でいいから見てみたい。私が大喜利仕切るとこ。「普通」です
今回もはりきって参りましょう。バカだな、俺。


裁判で判決が決まる際に、結構重要なのが再犯の可能性。
仮に短い刑期で外に出しちゃって、またすぐ犯罪犯しちゃうようなら、ちゃんと判断したの?ってことになっちゃうし、必要以上に重くしすぎるのもこれまた問題。
だから、被告人の再犯の可能性が高いかどうかってのは話し合われることになるんだけど、じゃあその際、どういった項目で判断されるか。ちょいと軽く思いつく感じで書いてみるかね。

(1)初犯かどうか
警察沙汰になるのが初めてで、警察から熱いお灸を据えられたのであれば、しばらくは懲りるだろうという意見。


(2)監督者の有無
裁判を終えて、普通の生活に戻った際に、親だったり周りに被告人が誤った道に進まないように監督できる人がいるかどうか。


(3)主導的か従属的か
自ら主導的に犯行を行っていないとされる場合。例えば、脅されて仕方なくやったとか。まぁ、結局やっちまったってことには変わりないけどね。


(4)環境の変化
結婚をする、初めて子どもができるなど、その自分以外の人のためにも迷惑をかけられないので犯罪はしないという主張ですね。被害者としては、もっと早く気付けと思ってるでしょうね。まぁ、もしくは引っ越しをするなどの場合もありますね。

とまぁ、色々と書きましたけど、次に書く理由が一番多いんじゃないかな。まぁ正直、これがどこまで再犯しない理由であるかってのは疑問ではあるっちゃあるんだけど。

(5)仕事があるか
住居不定者に多い話ではあるんだけど、仕事がないからお金も無い。お腹が空くから、物を盗るみたいな人に向けてこういう質問する場合が多いかな。
あとは、社会的地位があるとかいう人。裁判が終わってもまだ、会社には位置が残っていて、その社会的地位からも犯罪はもうしないと思われるみたいなやつ。ってか、すでに犯罪犯してるから、その場にいるんだが……と思っちゃうね。


まぁ長くなったけど、そんな観点で今回はちょっと考えてみましょうかね。

被告人は20代後半の女性。
当時付き合っていた男性が使ってるのを見て、覚せい剤を注射で打ったり、気化させて吸うなどして半年以上使用。その男が売人から直接覚せい剤を購入していたようですが、被告人には売人との接触はなかったとのこと。
男に目をつけた警察が、男を逮捕してその後の家宅捜索で被告人も逮捕されたとのこと。

結構ね、多いんですよね覚せい剤の裁判って。
そんでもって、こういった交際している男女でってパターンも非常に多い。場合にもよりますが、覚せい剤を使わないと男が自分を捨てると思ってすがるように使うみたいな人もいますわな。今回は、特にそういったこともなく普通に使ってたみたいですけどね。
一応、初犯


さてはて、この被告人の場合、再犯の可能性はどのように判断されるのでしょうか。特に覚せい剤の場合は、二度とやらせないようにしないと、自分の体も危なくなることもあるからね。
まぁ、一応(1)の項目はクリアしてるけどね。一応まだ心配。ほかの項目はどうでしょうか。
証人尋問は被告人のお母さん。

弁「証人は、裁判が終われば被告人と一緒に住むつもりはないんですか?」
証「もちろん、一緒に住みます。なんかやさしい男性と一緒に住むと言ってたので、私も安心してたのですが、もうしばらくはずっと私が監督していきます」
弁「もう被告人は28歳とね、まぁ何ていうか外で遊びたいと思う年頃だとは思いますが」
証「もう二度とこんな人様にご迷惑はかけさせられませんので、私がしっかり面倒をみます

(2)もクリアと見ていいのかな。はっきり言って、ここまで更生意欲の高い親も珍しいですね。もちろん、いないことはないですけど、ここまではっきりした方は久しぶりだな。
続いて被告人質問。

弁「今回、どうして覚せい剤を使用してしまったのかな?」
被「付き合っていた男性が使っているのを見ていました。特に彼から誘われたわけではないのですが、彼が留守中によくないと思いつつも興味本位で使ってしまったのが最初です」
弁「その男性とは、今はどのような関係ですか?」
被「彼は私の実家も知りませんし、携帯電話も変えました。もう連絡することはありません」
弁「もう二度と、覚せい剤を使用することはありませんね?」
被「はい、もう使いません」

(3)に関しては、完全に主導的ですよね。もう使わないって言ってはいますけど、興味本位で始めちゃっている以上、これは再犯の可能性自体は拭いきれませんね。
(4)ですけど、これは危険です。この人が連絡先を知らなくても、この男が執念深く追いかければ決して見つからないということはないでしょう。実際に、また男に言い寄られて、結局使っちゃいましたという常習犯はいます。なので、これも怪しいと言わざるを得ません。
今んとこ五分五分。ちょっとねぇ、言葉遣いじゃわかんないかもしれないですけど、被告人どうもチャラい感じがするんですよねぇ。もちろん僕の偏見だよ、偏見。
とりあえず、(5)の項目ですな。

弁「先ほど、お母さんがね、裁判が終わったらまた一緒に暮らしたいと言っていましたが、ちゃんと家に帰るつもりはありますか?」
被「はい、あります」
弁「とはいえ、ずっと家でお母さんにご飯を食べさせてもらうわけにもいかないと思います。何か仕事のあてはあるんですか?
被「はい、あります
弁「それはなんですか?










被「家事手伝いです

それは、仕事って言わねぇだろうよ!!それ、ダメな20代の模範的解答じゃねぇか。
笑点じゃねぇんだからさ。


円楽「昨今、不景気というキーワードがニュースにならない日はありません。そこで私がみなさんに、仕事のあてはあります?かと聞きますので、ありますと答えてください。そしたら私が、それはなんですか?と聞きますので、そこで何か面白い答えを言ってください」


で、一発目に出る答えでしょ、それ。
まぁ初犯だしねぇ、再犯の可能性は低いと信じたいなぁ。お母さんの更生の熱意にも期待するということで、私は再犯の可能性は薄いと判断させていただきます。
それにしても、意気揚々と「家事手伝い」と答えたときの弁護士のズコ〜って感じと、検察のはぁ〜っ?って感じが見事なコントラストを演出してたね。