恐らく、だめんず会員

裁判No.43
事件:「強制わいせつ」 概要)電車内の痴漢
被告人:20代前半の男性
傍聴席:5人


裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。

25歳にもなるとですよ、周りに結婚するなんて奴もちらほらと出てきたりもするわけですよ。
そんな中僕はといえば、休日に大学時代の後輩(もちろん男)を1日連れまわしたり、新宿のTSUTAYAに入り浸っては、ゲームのサントラ探して動画に使えねぇかなと模索したかと思えば、昼間っから酒を飲みながら「HOT FUZZ」三昧ですよ。


そんな親父なんだか、スポーツマンなんだか、オタクなんだか、合コンの自己紹介に困っちゃいますでお馴染みの「普通」です。
今回もはりきって参りましょう。
いやぁ、それにしても「HOT FUZZ」面白かったなぁ。


お薦めです!!


で、女の子の話よ、女の子。
モテナイ男の視点で考えるとさぁ、中学高校のときってイケメンはもちろんなんだけど、チョイ不良みたいなのもモテてたよね?なんでだよ、といつも思ってたんだわさ。
自分で格付けするのなんて恥ずかしいけど、勉強は上の下くらいできてたでしょ、喧嘩だって中の上はいってたさ、顔は下の中だとしても、クラスで面白いことだって言ってたつもりだよ。まぁ女性を敬う気持ちは下の下だったくらいでさ。
って、原因もうわかってんじゃん……。


何が言いたいかって言うとね、被告人がオッサンの場合は別よ。でも、俺と同年代、もしくはそれよりも下の年齢の奴が被告人の場合、多くは真面目ちゃんというよりかは、チョイ不良みてぇなのが多いんだよ。不良というより、チャラいという表現のほうが正しいかもしれないけど。
んで、そういうチャラい奴が被告人の場合、7割方、傍聴席に彼女がいるんだよ。それ見る度に、なんで犯罪犯していない俺じゃなくて、コイツなんだって思いがあるんだよなぁ。

今回の被告人は22歳の男性。チャラ男。奥さん、子どもあり
被告人は、朝の満員電車で目の前にいた15歳の女子中学生に対し、女性のパンツの中に手を入れるなどして痴漢行為をはたらいた疑い

こんな事件を犯した裁判なのに、奥さんと子どもが傍聴席にいました。しかも、奥さんがきれいなんだな、これが。しかもねぇ、この奥さんがしっかりしてんだわ。

弁「事件のあと、被害者の方にはなにか謝罪をされましたか?」
証「はい。まず私が、被害者の方のお宅に伺いまして、直接謝罪しようとしました。しかし、会っていただけませんでしたので、ハガキにて再度謝罪の意を伝えました
弁「示談が成立していますが、示談金はどこから出しましたか?」
証「私の貯金から出しました。正確には、娘を育てるために貯めていたお金ですので、娘の貯金から借りてしまったというほうが正しいのかもしれませんが……
弁「生活費なども苦しいと思うけど……」
証「ただ私が娘も育てなきゃいけませんので、パートも増やして、なんとかやっていこうと思います

20代前半夫婦らしからぬ、しっかりとしたご返事、受け答えありがとうございます。でも、この奥さんがしっかりした人であればあるほど、被告人のダメさが滲みでちゃって、
まずね、裁判になったのは初めてだけど痴漢は3度目なんだって。
それと、ここ2年ほど、被告人はアルバイトも含め一度も働いていないんだって。
奥さん、悪いこと言わないから旦那と別れた方がいいって。
みのもんたじゃなくたって、言いたくなっちゃいますよ。


すげぇよな、奥さん旦那の1個下らしいのに、一人で頑張って働いてバカ夫と娘一人を食べさせてやって、娘の学費も貯めていたんだから。
それに対して、被告人の犯行の動機は「目の前にとても魅力的な女性がいたので、悪いと思いつつやってしまいました」だと……。本当に悪いと思ってるとは思えないし、理由も2度捕まった人とは思えない言い分。
それでも奥さんとしては、別れる気はゼロなんだってさ。じゃあ、被告人がどれほどのもんか、被告人質問で聞いてやろうじゃありませんか。

検「あなたね、痴漢が見つかったの今回で3回目だけど、全く反省してないでしょ」
被「いや、反省してますよ
検「じゃあ、なんでやっちゃうんですか?」
被「それは私にもわかりません。反省はしてますけど、やっちゃうんですね
検「そういうのは、反省していると言わないんです!」
被「いや、ちゃんと反省はしてるんですってば

言っていいかな。


コイツ、マジうぜぇ……。小さい頃から体育会の環境で育ってきた僕ちゃんとは一生合わないタイプだな。
そして、ここから僕の傍聴歴において記憶に厚く残るであろうワンシーンが。

裁「あなたね、うわべばっかの印象があるんですよ、とりあえず反省していると言ってる感じで。それに、証言台の前に立って証言してくれた奥さんには感謝しているんですか?」
被「感謝してますよ。ケメ子(もちろん仮名)、


ありがとう、愛してるよ


裁「裁判は愛を確かめる場じゃありません!!

ぷぎゃああああああああああああああ。
でさぁ、でさぁ、ここで突っ込むポイントって2点あって、もちろんこんなところで「愛しているよ」とかヌかした、このクソ野郎についてが1点だよね。んで、もう1点が裁判長が動揺して、なんか面白いこと言っちゃったのが2点目だよね。実は、もう1点あって、これが強力なんだけど。


それまで、口を真一文字に結んでいた傍聴席の奥さんが、愛してるよとか言われた瞬間に明らかに照れちゃって、被告人に


「うん、私も」的な口の動きをしたんだよ。
あっ、わかった。この人、だめんずだ。

だめんず・うぉ~か~ (1) (扶桑社SPA!文庫)

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だめんずと定義したところで、結局女性にモテるという一点においては、この男には負けてるんだよなぁと思うと、どうしても解せない気持ちになるよなぁ……。
そして、その気持ちを紛らわせるかのように、後輩と飲みの約束をとりつけるのであった。