日本に来てからは初めての犯罪です!

裁判No.54
事件:「窃盗」 概要)空き巣
   「器物損壊」 概要)空き巣のために窓ガラスを割る
被告人:20代後半の外国人男性
傍聴席:1人


裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。


いやぁ皆さん、楽しいクリスマスイブを過ごしていますか〜?
とりあえずですね、すき家「キムチ牛丼の並」ってのと、ツタヤでレンタル一週間でいいかと聞かれ「それで、いいです」西友で袋に入れますかと聞かれ「お願いします」という3言しか今日発していないロンリークリスマスを僕は満喫しております。
この記事の更新が終わったら、ファミチキ一つ」も追加されます。


そんな訳で、せっかくだしクリスマスっぽい記事にしようかなと思ったけど、なんでそんなに気を遣わねばならんのじゃ〜いということで、普段通りにやろうと決意した漢「普通」です。
皆さま、メリークリスマ……ごきげんよう。
ロンリーを紛らわすために長文書いてやる、ついて来れるもんならついて来いってんだバーロー。


裁判所探索の旅を続けていましたが、ちょっと今回は一休み。普通の傍聴記やります。
自分ではあのコーナー好きなんだけど続き過ぎちゃうのどうかと思うし、画面上の「最新タイトル」の欄が僕の彼女を紹介しますって言葉で埋め尽くされるのは、ブログとしてどうなのってのもありますし。
では、さっそく裁判の中身に触れていきましょう。

被告人は20代後半の黒人男性(人定質問は見れなかったので国籍はわからないけど外人さん)。
被告人は、被告人の奥さんのお兄さんに誘われて、事件日の深夜、留守宅に窓ガラスを割って侵入して、その家にあった現金35万円を窃取した疑い。
窓ガラスを割った音で近所の人が通報して、ちょうど逃げようしている最中の被告人らを警察官が見つけて取り押さえました。

あのぉ…なんていうか、偏見はよくないとは思うんだけど、黒人さんってさちょっと凶暴なイメージない?ガタイがよくてさ、強面も多くて…そりゃあ人によるんだけどさ。
で、この被告人ってのがさ、怖ぇんだよ。マジでデカくてさ、なんか睨みつけているような感じの目つきだし、さすがにガムは噛んでないと思うけどなんか口をクチャクチャさせてて感じ悪いんだ。
日本のヤクザ屋さんの裁判も見てるし、傍聴席はそういう人だらけってのも経験して、それも十分怖かったんだけどさ、今回の被告人の場合はなんというか「無秩序」という言葉がぴったりな感じかな。
傍聴席も一人だったから、何度も目も合って「何見てんだ、ゴルァ!!」って雰囲気醸し出してたし。
おおよそ普通の人がイメージするのとは程遠い、裁判を受ける人の態度ではなかったね。


で、今回事件に誘った奥さんのお兄さんってのも悪いらしくてさ、覚せい剤所持やら大麻所持やらの前科持ちらしい、日本でね。
被告人は日本に来てからまだ一月らしくて日本では初めての犯罪。でも、母国では窃盗やら暴力行為の前科があるみたい。
つまりはヤベェ奴らなんだよ。

検「被告人はどうして、日本に来たのですか?」
被「義理の兄に呼ばれたので」
検「どういう用件で呼ばれたのですか?」
被「仕事を手伝ってほしいと言っていました」
検「仕事とは具体的にどういったことだったのですか」
被「クスリの運搬を手伝うだとかだったと思います」

へ〜意外とすんなりと言うもんだねぇ。
素直に捜査に協力して、新たな情報を与えることで罪を軽くしてもらう作戦かな?
ちなみにだけど、もちろん通訳を介してのセリフだからね。もしかしたら、もっとゲスい言葉を使ってるのかもしれないけどね。

検「日本に来て、義理のお兄さんのところへ行って、そういった仕事を行ったのですか?」
被「いえ、兄が運搬のクスリに手をつけたとかで、行ったときはその仕事はもう辞めていました

ちょっwww兄貴www誰か、このシャブ中助けてあげて。
ちなみにさ話変わるけど、コンビニで廃棄の弁当とかあるじゃん。あれ、ごみ箱に捨てるチェーンもあるみたいだけど、僕の働いてた7とか11とかがつくコンビニだと業者が全部回収するのね。で、その業者の人に食べたりしないの?って聞いたら、バレることはないと思うけど、バレたら即クビだから絶対にやらないって言ってたよ。
ブツに手をつけちゃダメよって話をしたつもりが、思った以上にかけ離れちゃったな。

検「じゃあ、被告人はそういった覚せい剤の運搬の仕事は行わなかったようだけど、すぐ母国に帰ろうとは思わなかったのですか?」
被「ただ帰るというのも気が引けましたし、兄に何かやろうぜと誘われたので…」
検「その何かとは?」
被「その時点では、特に決めてませんでしたけど、強盗とか窃盗とかのことだとは思います

この人、ほんとポロポロ漏らしてくれるなぁ。まぁ検察としては仕事が楽でいいやって感じですよね。
それに、被告人も自分から乗ってるとはいえ、兄に誘われてきてるわけじゃんか。だから、主張としては兄に誘われて仕方なくやりましたとか、仕事はまっとうなものだと思いましたとか、嘘でも言いそうなものなのにそういった自己弁護に走らない。もはやそんなのメンドクサイ、真正の悪なのでは。
もしくは通訳のおばちゃんが、本当は「お助けください、お願いします」とか言ってるのに、嘘通訳して被告人を陥れようとしている真正の悪なのかのどっちかですね。


まぁ弁護士の弁護の諦め度合からいって、間違いなく被告人が真正の悪なんですけど。

弁「どうして、盗みをしてしまったのですか?盗みが悪いことだとは思わなかったのですか?」
被「もちろん、わかっています」
弁「じゃあ、もう二度とそんなこと行わないで下さいね」

これだけで、弁護士の質問タイム終了なんですよ。お前、少しさはポーズだけでも、罪を更生させてやるっていう姿勢を見せろよ。これで、いくらもらってんだこの人
裁判の様子見てると、終始お手上げって感じなんだもん。
それだから、最後の弁論でもこんな手抜きみたいな弁論しかできないんだよ。ってか、これが今回の一番の目玉なんだけど。

弁護士による最終弁論(最後に裁判官に伝える弁護士の主張)

  • 逃走直後に捕まったので、現金は手にしていないも同然です!
  • 被告人には妻がいます。今後、その妻が被告人の犯罪の抑止力となることでしょう!
  • 少なくとも、日本に来てからは初めての犯罪です!
  • 外国人ということで、好奇の目で見られることによるストレスも溜まっていたそうです!

はっきり言って、アホか!?の一言でも済むんだけど、一つずつ解決していこう。
まず現金は手にしていないという点。これは、即座にお金は全額返されてるから被害者に実質的な損失はありませんよね?っていう主張なの。ただ、留守中に泥棒に入られたという恐怖や同じ家に住んでいられるかという心の問題もあるし、ガラスの弁償とかもあるから、被害者が何の影響も受けていない訳がない。
あと、その抑止力となるであろう妻だけど、このシャブ中兄さんの妹な訳でコイツも十分危ない可能性もあるし、そもそも結婚して5年くらい経っててその間も母国で犯罪を犯してるんだから、いきなり今回を機に妻の存在が抑止力になるなんてことはあり得ません!!
はい、次〜。
「少なくとも、日本に来てからは初めての犯罪です!」突っ込まなきゃダメなの?日本に来て一月での犯行なんですよ。そりゃあ外国での罪は日本においては換算されないかもしれないけど、そんなの主張として大の大人がすることか?
そして最後が秀逸な主張やね。いいですか、そもそもストレスが溜まってたかどうかも怪しいところだけど、ストレスが溜まる→犯罪の実行じゃなくて、そもそも犯罪を犯すつもりで日本に来てるんだからストレス云々は一切関係なし!主張としてはこれが一番的外れ。朝まで生テレビとかで田原総一郎にフルボッコにされてください。


まぁ、そんなひどい話なんだけど、いざやったことは空き巣オンリーな訳さ。んで、いざ判決となったら懲役一年六月執行猶予三年だってさ。
つまりは、裁判終わった途端、シャバに出られる訳だ。


とりあえず、なんか怖かったんでマッハで裁判所を後にしました。