〔募集〕HなDVDを善良そうな人に売りつける簡単なお仕事です！

裁判No.61
事件：「わいせつ図画販売目的所持」　概要）無修正エロDVDの販売
被告人：50代後半の男性
傍聴席：5人

裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。

僕、自分の仕事は明かしたことはありませんけど、たまにね就職活動の学生と話す機会ってあるんですよ。採用の人間ではないですけどね。
で、思うのが志望するジャンルや企業を絞り過ぎてはいませんかい？ってこと。
僕の場合、明確に希望している企業、業界ってのがあったんだけどありとあらゆる業界の説明会に行ったもんね。名前だけは聞いたことあるけどこんなことしてたんだとか、いろんな発見があるってのは話のネタにもなるしね。いろんな価値観を持つ人と話すと見解が広がるってのと似てる気がする。
そういう意味では裁判でもいろんな業界の話を聞くことができます。法曹関係者の仕事ぶりを見れるというのはもちろんですが、ヤクザ屋さんとか、覚せい剤の密売人さんとか、別に参考にする点は無いですけど知らない業界の話を聞くと興奮するのは26歳になっても変わりません。

新 13歳のハローワーク

そんな訳で、小さいころに一番なりたかった職業はパン屋。なぜならパンが食えるからだった「普通」です。
今回もはりきって参りましょう。

前のブログではさ結構扱ってたんだけど、このブログではお初にお目にかかります「わいせつ図画販売目的所持罪」。簡単に言うとモザイクやらなんやらがかかってないHな本とかビデオを販売しちゃいかんですよという罪。

被告人は50代後半の男性。
被告人は自ら経営する古書店にて、性器等に修正を施していないわいせつDVDを135枚販売用に所持していたという疑い。
被告人に前科前歴は一切なし。

普通こういう店ってさ、そういうのだけ扱っててわかりにくい場所に建ってたりすると思うんだけど、この店の場合は普通の古本屋でついでにDVDも扱ってますよっていう形態だから普通に棚に陳列してたんだって。
そんな堂々すぎる陳列、ねらーであれば、釣りか!?と警戒してしまうレベルです。
堂々と陳列をしてる場合、人って2つのパターンに分かれると思うのね。

• 国家権力がなんぼのもんじゃい。捕まえられるもんなら捕まえてみんかい！という極悪人タイプ。
• ただ本当に何も考えてない人。

で、今回の被告人は圧倒的な後者ね。

この人ね、この犯行の内容からして何も考えてなかったんだなぁってのが丸わかりなうえに、裁判に対しても何も考えてない、危機感の薄さがプンプンなのよ。ただフォローする訳じゃないけど、根が悪い人では絶対にないとは思う。
でもさ「証拠調べ」っていって、検察官が被告人の犯したことを証拠によって証明しようとするときとか、

検「被告人は、昨年度4月から店舗に訪れるようになったわいせつDVDの製造業者から月に1度ほどのペースで入手するようになり…」
被「その人ね、○藤さんっていうの、○藤さん」
裁「被告人は今は話を聞いていてください。検察官続けてください」
検「そして、被告人はその業者からわいせつDVDを1枚約1000円で仕入れ、4000円で店頭にて販売、売上の2割をその業者に渡していたとのことであり…」
被「返品するときはね、手数料で2割持っていかれちゃうんだよね」
裁「だから黙ってなさいって！」

なんか合いの手入れたりしてんのよ。終始、落着きがない感じ。
ってかヤクザ屋さんの手下かなんか知らんけど、わいせつDVDの営業マンっているんだね。「どうっすか〜、うちのエロDVD取り扱ってみませんか〜？」って感じなのかな。
それにしても利益率高いよね、この商売。1枚DVDを売ったら4000円で、そのうち800円と仕入の1000円を引いても2200円の儲けが出るからね。これはボロい。ってかホントかよ。

さて、ここで証人が登場。証人は店の手伝いもしている被告人の奥さん。
基本的にさ、被告人や証人、裁判関係者の容姿やら外見に関する突っ込みは極力さけてきたんだけど、これだけは言わせてくれ。確かに、裁判の証人になるのに服装の規定はない。ただ、背中に大きくゴルフの絵が描かれてて、前の胸のところに大きく

Nice shot!!
って書かれたポロシャツはセンスとモラルを疑うぞ。イメージこんなん。

まぁいいさ、服装は自由だからさ。

弁「被告人がわいせつなDVDを販売していることは知っていましたか？」
証「いいえぇ全く」
弁「でも、証人も店の手伝いをすることはありましたよね？」
証「あるって言っても私、本のことも何もわかりませんからレジのところで座ってるくらいでした」
弁「以上で、質問終わります」

マジでこの程度しか聞かなかったのね。普通奥さん出てきたら、旦那が悪いことして大変申し訳ございませんでした、これから私が責任を持って...みたいなこと言わせてもいいようなもんじゃん。
でも、これだけの質問じゃ、私は悪ぅございません。悪いのは全部旦那でございますって印象で終わっちゃうんだよね。この尋問の意図が全くわからんかった。

まぁいいや、本番は被告人だし。

弁「そのDVDの売人である人間とはどこで知り合ったのですか？」
被「あぁ、○藤さんね。ある日、突然私の店に来たんですよ」
弁「それであなたは、すぐそのDVDを仕入れたのですか？」
被「まさか。2度3度は断りましたよ」
弁「でも、結局置いちゃいましたよね、それはどうしてですか？」
被「何度も来るんでね、私も人間ですからその熱意に負けたというか、まぁバレなければ大丈夫かなと魔が差したと言いましょうか...」

伝わらないかもしれないけど、本当にこの人天然っていうか根が純粋なのよ。
頼むから悪い人、心がピュアな人を悪の道に引きずり込まないでくれ...

裁「あなた、DVDは見たのですか？」
被「警察官が私の前で再生したのを一緒に見ました」
裁「その中にね1本、エンジェルパラダイスってタイトルのね…」
被「あーあの小さい女の子の出てた」
裁「…そういう小さい女の子も出ているものを取り扱っていたことに対する罪悪感はなかったのですか？」
弁「そりゃあ〜、もちろん大変申し訳なく思ってますよ。えぇそりゃあもう」

軽いなぁ。ホントこの人軽い。そのノリで色々と乗りきってきたんだろうな。
あと、証拠の確認するためとはいえ警官とわいせつDVDを見る60手前のおじいちゃんってのもすごい図だね。

本当はもっと突っ込むところあったんだけど尺がなくなっちゃったからいいや。
でもさ、天然の老夫婦といえばかわいげがあるかもしれないけど、結局犯罪犯しちゃってるわけだしさ、しかもその重要度もさほど理解してなさそうだしさ…。
この夫婦には子どももいないみたいだから、今後の二人がなんか危なっかしくてなんか不安。