喉が渇いた徳光さんにクラムチャウダーを渡す鬼畜

傍聴No.70
事件：窃盗　概要）コンビニで万引き
被告人：50代前半の男性
傍聴席：1人

裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。

まぁ夏ということもありますからね、最近は会社の後輩の女の子と自分の一番好きなアイスについてプレゼンしたり、互いのを貶しあったりしてるのね。
正直、アイスって夏でもそんな食べないから選択肢はあんまり無いんだけど、俺は断トツでパピコなのよ。

で、その女の子はスイカバーが一番とか言うわけよ。

いやいや、この2つなら絶対パピコだろと力説していたんですが、この夏は完全に「ガリガリ君　梨味」に話題を持っていかれてしまいましたね。

まぁ俺は2つほど食ったら飽きたので、相変わらず個人的なトップはパピコなんですけど。

そんな訳で、夏は冷たいもの飲み過ぎて常にお腹が緩みっぱなしの「普通」です。
今回もはりきって参りましょう。

被告人は50代のホームレス男性。
被告人はコンビニエンスストアでアイス2点を着ていた厚手のトレーナーのポケットに隠して窃取した疑い。
事件のコンビニエンスストアの前で盗んだアイスを食べていた被告人を店員が見つけて通報されました。

「放火犯は必ず現場に戻る」なんて言いますが、普通に罪を犯した人間の心理としては現場から遠ざかりたくなるものなのではないでしょうか。
それをまぁ犯行現場の店の外で食うとは大胆不敵。
警察署内で犯した犯行にも関わらず、「あらかじめ用意してあった署に出入りする清掃員の制服を着て、堂々と正面玄関から出ていったんだわ」的な大胆さです。まぁこの人の場合は捕まっていますけど。

その他突っ込むべきポイントは、この短い事件内容文からもあるのですが、それは裁判の流れで突っ込んでいただくことにしましょう。
では、被告人質問です。

弁「被告人は今回、どうしてこのような犯行を行ったのですか？」
被「仕事が見つからず、3日間も何も食べていない状態だったのでつい盗んでしまいました」
弁「今回の犯行が初めてではありませんね？前回の裁判のときも反省していると証言したんじゃないんですか？」
被「もちろん、反省はしてますが、お腹が空くと私の意思の弱さが出てしまい...」
弁「今後、このようなことは絶対に行いませんね」
被「はい、絶対に行いません」

教科書通りの答弁ありがとうございました。
裁判傍聴者なら誰もが読んだことのある本「裁判傍聴をしてみよう！」の中の第四章「被告人質問」の答弁を思い出させるような基本的な内容でしたね。まぁそんな本はねぇんだけど。
あくまで、犯行は食欲のためと言い張るんですね。弁護士もあんま波風立てたくないようですし。

それではこのコントにおいてはツッコミ役であられます検察官からの質問いってみましょう。弁護士は竜ちゃんの前に熱いおでんを持ってくる黒子みたいなもんだね。

検「先ほどの弁護士さんからの質問で、お腹が空いたからと言ってましたよね？」
被「はい、3日間は食べてなかったと思います…」
検「それで食べたものがアイスですか？」
被「え？あ、はい」
検「いや普通ね、お腹が空いたらご飯だったりね、お腹に溜まりやすいものを食べようとするんじゃないですか？」

これ普通に考えてそうですよね。
炎天下の中、24時間マラソンし続けて「喉渇いたぁ…」ってなってる状態で熱っ熱っのクラムチャウダーには飛びつかないでしょ。これと同じで3日も何も食ってない人が盗みというハードルを越えてまで食べるものがアイスっておかしいだろうよって話ね。

この質問には恐らくちゃんと意図があって、もしこれで実はお腹が空いていない上での犯行だとするならば、ほんとにおやつ感覚で盗みを働いているってことだから、より罪の意識が薄いぞって指摘することができるんだな、多分。
さぁそれに対して被告人はなんて答えるかな。

検「いや普通ね、お腹が空いたらご飯だったりね、お腹に溜まりやすいものを食べようとするんじゃないですか？」
被「いや、私昔から小食でして。アイスで十分だと思って」
検「あなた3日も何も食べてなかったんでしょ!?罪の意識が曖昧になるくらいまでお腹が空いてる状態でアイスで十分だったと言うんですか!?」
被「はい」

傍聴席からは被告人の背中しか見えませんが、恐らくこの「はい」って言ったときの被告人、すげぇムカつく顔してたんだろうな。検察官がムキーって顔してたもんな。
という訳で今回のTOP画はドヤ顔の権威「コロンビア」さんにさせていただきました。

完全に一致www

でも、まだまだネタは残ってるぞ、頑張れ検察官！

検「あなた事件を起こしたの12月の寒い時期ですよね。こんな時期に飢えを凌ぐためにアイスを食べるんですか？」
被「はい」
検「もっと温かいものを食べたいと思わなかったのですか？」
被「いえ、別に」

うっぜぇぇぇぇ！
お前さては、映画「ドラえもん　のび太の日本誕生」を見てないな。雪山に放置されたのび太が温かいラーメンのスープを残したことを後悔するシーンに誰もが共感しただろうが！

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まぁいいですよ、感覚は人それぞれですから。

検「どうして二つも盗んだんですか？」
被「同じ区画で生活している友人に分けてあげようと思いまして」

路上生活者が冬場にアイス与えられるなんて災難だな、その友人も。
前述の24時間マラソンから帰って喉渇いてる人にモナカ投げつけるようなもんだぜ。

人が極限状態までいったら何をするかわからないとは思うけど、この人の答弁はそれでも理解しにくいし、挑発するような態度も腹に立つ。店の前で食うという行為も被害店舗にも挑発的な感じがするしね。
と怒り心頭であっても刑を決めるのは裁判官。さて、その裁判官はというと、

「またこのタイプの事例ね」といった感じでロクに被告人質問に興味を示さず、調書をパラパラと読んでいますた...。