裁判は法廷の中だけで起きてるんじゃない!(後編)

boutyou-works2009-03-27 裁判No.15 事件道路交通法違反 概要)飲酒運転で接触事故 被告人:30代半ばの女性 傍聴席:5人 裁判の中身は「続きを読む」からどうぞ。 今回の話は後編です。前編をお読みでない方はコチラからどうぞ。 前回の復習はお済みですか?どうも皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは「普通」です。
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  • 発売日: 2003/06/18
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前回、今回とこんなタイトルつけちゃったけど……正直↑この作品嫌い。 ……さぁて、今回もはりきって参りましょう。 >> 被告人は30代半ばの女性。 被告人は日本酒を飲み、呼気中アルコール濃度が0.14ml(つまり法律に触れるレベル)の状態で車を運転し、他の車にぶつけてしまいました。 被害者が、被告人の車のところに行くと被告人は運転席で笑っていたそうで、「ぶつかっていない」「飲んでなんかいない」とかわめいてたそうです。 <<
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100%飲んでます飲んでないって言って、本当に飲んでない人見たことないです。ゴックンはしてないとか言ってる場合じゃないです。勉強していないって言って、本当に勉強していない人見たことないです。でも僕は、その勉強していないという友人の言葉を信じ、早々に床に就いたものです。 そんな僕の話はいいんです。 >> 被告人は、高校中退、専門学校中退。現在、無職。 夫と一人の息子がいますが、夫とは別居中。息子は夫のもとにいて、息子とはたまに会う程度とのこと。事件を起こした日は、久々の息子との外食で回転寿司に行ったとのこと。 << まぁ前回、リハ聞いてるんでなんとなくはわかってはいましたけどね。 さて、裁判はどんどん進みます。証人尋問です。証人はもちろん、被告人のお母さん。 >> 弁「まず、被告人とは、どのようなご関け……」 証「母親です」 弁「今現在、証人と被告人は一緒に住んでいらっしゃ……」 証「はい」 << 僕は見なかったですけど、証人も相当入念なリハを積んでいたんでしょうね。質問を聞き終わる前にスイスイと答えていました。出だしは好調です。 >> 弁「被告人は旦那さんとは別居中で、息子さんともあまり会われていなかったようですが」 証「たまの外食で気の緩みがあったんだと思います……」 弁「今回、保釈金はどなたが払いました?」 証「です」 弁「被告人だったり、被告人の旦那さんからのお金の援助はありましたか?」 証「一切、ありません」 弁「今後、どのように監督していくおつもりですか?」 証「今まで、……4〜5年前に長女を事故で亡くしまして、それを追うように旦那が事故死しました。そういうバタバタしていたこともあり、愛情をかけてあげられなくて……」 << 証人、号泣です。弁護人の質問は終わりました。 だけどね、まぁ号泣している人に言いたかぁ無いんだけど、犯罪を犯したことを気の緩みで済ます保釈金は自分で払うし、被告人に払うそぶりは見えない今後の対策を自分の反省に終始し具体例はない。これじゃ、再犯の恐れは拭えません。 そんな証人に裁判長は優しく言いました。 >> 裁「私は被告人の言っていることを信用していないんです。普段からチューハイを4〜5杯飲んでるような酒飲みが、日本酒を半分で終わるようなことがあるのだろうかと。今、市販でアルコール度数を測れるのが売っているが、0.14mlなんて出るには、もうフラフラするレベルなんです。 被告人が更生するかどうかは、あなたにかかっていると思っています。しっかりと見守ってあげてください」 << や、やさしい……。ってか、やさし過ぎやしないか。証人、さらに号泣。 それより、アルコール度数測れる機械って売ってるんですね。僕、知りませんでした。やっぱ、ドンキかな?それに、この口調だと、実演しましたね。 まぁ、こんなお茶目な裁判長いじりはここまでにして、次は被告人質問です。 >> 弁「事故を起こしてしまったことについて、どう思っていますか?」 被「自分でも、とても驚きました」 弁「被害者については、どのような思いでいらっしゃいますか?」 被「とても申し訳ないことをしてしまった気持ちです」 << ここ、前回のコピペじゃないですからね。手抜きじゃないっす。いやぁ、リハ通りですね。 >> 弁「なぜ、お酒を飲んでしまったのですか?」 被「久々の子どもとの食事ではしゃいでいました」 弁「どうして、お酒を飲んだ状態で車に乗ってしまったのですか?」 被「家から近かったので、大丈夫だと思いました」 弁「今後、車を運転する気はありますか?」 被「ありません」 弁「車に乗らなければ酒気帯び運転にはなりませんけど、あなたの場合、お酒でまた何かやるのではないかととても不安です」 被「もうお酒も飲むつもりはありません」 << じゃあ車に乗ったっていいじゃん。あ、やっぱダメだ。酒を飲んでも家が近いからとかいう意識の時点で、酒は関係なく運転の資格はないもんね。 でも、リハ聞いていたからかもしれませんけど、車を運転するかに対しては、しない、酒を飲むかには、飲まない、と即答されると、とりあえず言えばいいんでしょって思ってるんじゃないかって邪推しちゃうんだよね。 >> 弁「保釈金を払ってくれ、また証人として証言台に立ってくれたお母さんにはどのような思いですか?」 被「とても感謝の気持ちでいっぱいです」 弁「裁判前の、お二人のやり取りなんかを見ていると、ちゃんとやっていけるか正直不安なんですけど」 被「やってみます」 << やれ!そこは、やりますと言え。 文章で「とても感謝の気持ちでいっぱいです」って書くと、本当に感謝してるみたいだけど、実際の印象として雰囲気からは一切伝わってこないんだ。弁護士も不安とか言っちゃってるし。まぁ僕の感情で語っちゃダメですよね。 >> 弁「今、お子さんは?」 被「母と住んでいます」 弁「あなたが逮捕勾留されている間、どのような様子だったと聞いていますか?」 被「母の話によると、朝起きれなくて学校も部活もあまり行っていなかったようです」 << この家族、問題ありすぎ。 弁護士はここで質問終わらせたから、「被告人がいないと息子も生活に困る。だから、できれだけ早く家に帰してあげて」っていう方向性だと思うんだけど、子ども13歳だよ。起きれるだろ?それなりに生活はできるだろ?
13歳のハローワーク

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  • 作者:村上 龍
  • 発売日: 2003/12/02
  • メディア: 大型本
これでも読んで、甘えを無くしてください。どんな本か知らねぇけど。 なんとなく、そんな気はしていたけど裁判長は今度は厳しく言いました。 >> 裁「専門学校の授業料というのは大学より高いんです。高校も中退、専門学校も中退。お母さんとしては、お金をドブに捨てたようなものです。そんなお母さんともやってみますとしか言えない。裁判を通じて反省や犯罪に対しての認識が全くと言っていいほど感じられない。 飲酒運転の取調べでは、100人中99人が初めて飲酒運転をしたと言います。初めてで捕まるなんて、なんて不運な方が多いのでしょうと思います。そして、あなたもその不運を主張しています。しかし、そのような主張しているようではお母さんの涙は徒労に終わってしまうのではないでしょうか。お母さんが流した涙を決して無駄にしないでください」 << う〜ん、なんて深いことをこうサラサラと言うんだろうか。お母さん、再度号泣しながら、立ち上がって裁判長に一礼。 ただ、これらに対しても被告人は特にリアクション無し。まぁ傍聴席からは背中しか見えないからね。何か表情とか見えない感情を表していたのかもしれないけどね。 >> 判決は求刑懲役七月(ななげつと読みます)に対し、懲役七月執行猶予三年が下されました。 << まぁ初犯だし、執行猶予はつくわな。七月の根拠はよく知らないけど。お母さん、判決の後に再度、を拭きながら裁判長に一礼。 裁判、閉廷。被告人は仮釈放されているのと、判決に執行猶予がついたので、このまま法廷から普通に帰ります。弁護士に連れられ、被告人退廷。その後ろをお母さんがついていきます。後の裁判もなかったので、僕もその後を。 法廷のドアを開けると、弁護士と被告人とお母さんがいました。 弁「お疲れ様でした。判決の内容はおわかりになりましたか?」 すると、ニコニコしながら1人が言いました。 「いやぁ、(執行猶予)つきましたね〜」 とお母さんが。 あれ、もう泣いてない!?しかも、めっちゃ笑ってる。 そのまま3人はエレベータに乗っていきました。僕は恐くなって、一緒には乗れなかったです。 今回の記事を、お母さんに全幅の信頼を置いていた裁判長が読まないことだけを祈ります。読むわけねぇか