網走を車で散策編

どう順序立てて話すのがスマートかわからないので、もうさっそく行くよ。 網走駅でレンタカーを借りた僕は、サロマ湖」「能取湖」「網走監獄博物館」「トウフツ湖」の4つを目的地と定めました。 14時52分に網走駅に到着して、網走から出るのは翌日の11時58分。この間に、観光地を巡りつつ、かつ主目的である裁判所の撮影をはめ込むという予定を立てることになったのでした。 ちなみに網走監獄以外、例によって事前の調査なし。地図をぼんやりと見ていて、なんだか湖が多いから行ってみるかくらいしか考えていません。 よって重要度としては、 >> 裁判所>>網走監獄博物館>>>サロマ湖>能取湖>トウフツ湖(湖の重要度はデカい順) << という風に考えていました。 次に問題になってくるのが時間です。14時52分に網走駅に到着したものの、裁判所紹介のための駅やバス停の撮影、レンタカーを借りる手続きなどをしていたら時間は15時30分近くに。 網走駅から一番遠いサロマ湖がなんだかんだ50kmくらいありますので1時間以上かかると考えて、日没で撮影できないのが一番アホくさいので、 >>  16時過ぎに到着 トウフツ湖  16時半出発  ↓  17時過ぎ到着 網走監獄博物館・・・18時までなので、あまり時間はとれないが仕方ない。  18時出発   ↓ もう日没なので、ホテルに車を停めて、網走地裁の道のりを足で確かめておく。真面目。 翌日 ホテル  6時ごろ出発   ↓  7時半到着 サロマ湖  8時出発   ↓  8時半到着 能取湖  9時に出発   ↓  9時半到着 網走駅  ↓ 裁判所の撮影  ↓ 網走駅  11時58分発 << か・ん・ぺ・き! 一番大切な裁判所の撮影が一番後ろに回されていることが気になるけど、もし「1泊2日で行く、網走3つの湖と監獄、裁判所ツアー」ってのがあったら、添乗員さんになれちゃうね。「あちら見えますのは、釧路地方裁判所網走支部でございます。最寄りのバス停から1分、秘境感漂う桂台駅から10分ほど、網走駅からは40分ほどの行程となっておりまぁす」ってやればいいんだろ。自分の才能が恐いね。 それじゃあさっそく最初のトウフツ湖に向かうとするかね。 車で20〜30分くらい、1度も曲がることなく トウフツ湖のあります小清水原生花園に到着。   ちなみに電車で来ることも出来ます。 駅や駐車場から見れる景色がこんな感じ。湖は奥の方で辛うじて見えますが、それまでに視界を遮るのは人工物でなく、壮大な原野だっていうんだからなかなか都会で見れるもんじゃないね。別に湖にそんな興味があるわけではないから、この壮大さの方に割と心動かされていたりする。 この植物を突っ切って野鳥観察デッキというのに続く道が作られています。トウフツ湖では、オオワシオジロワシマガモなんかを見ることができるそうです。 デッキには、左からオオワシオジロワシマガモがすでに鎮座していました。 野鳥観察でなく雑談を楽しみまくってるオバさん達の間に入り、野鳥を探しましたが残念ながら何も見つけられませんでした。 小高い丘があったので、上から眺めることにしました。 西に沈む夕日を見ながら、しばしぼんやり。こういう雄大な自然を目の当たりにしてしまうと、急ピッチな予定を組んでしまった自分が嫌になる。そう、結構楽しんじゃってすでに時間ギリギリ。 でも、すぐに帰るのももったいないので、売店を散策。   何に使えばいいのやら、えぞ鹿の毛皮。これ本物なんすかね。一応なでなでしてきましたが。 実際の重さに近い、オオハクチョウ(10.8kg)オジロワシ(9.4kg)ゴマフアザラシの子ども(10kg)のぬいぐるみ。いい具合にテンション上がってますからね、33歳の男一人でぬいぐるみを全て抱きかかえてやりましたよ。そして、誰に見られるでもなく、そっと下ろして少しテンションを正常に戻しました。   昆布を売っていたり、貝類を食べさせてもらえたり物販コーナーはかなり広く盛況です。そして行ったら必ず驚くと思います。 <span class="deco" style="font-size:large;font-weight:bold;">客引きの強引さが半端ねぇ。 いつもは多少誇張して書くこともあるけど、本当にこの通りに聞きました、 「なんで、ここの店員さんってみんなうるせぇんすか?」と。そしたら、雪が多い地域だったりでこの売店を開いていること自体、かなり期間が限定されちゃうんだって。だから、その間になんとか売上げ立てなきゃとどの店も必死なんだってさ。 一営業マンとして、この押しの強さは少し勉強になったので、酒のつまみになりそうなものを一つ購入。ちゃんと買ってるのに、さらに昆布を買えだ、何を買えだとうるさいババァに「だから、いらねぇって言ってんだろ!」と一喝して店の外に。 こんな書き方していますけど、非常に楽しみました。毒蝮三太夫とオバさんの馴れ合いだと思ってもらえれば。 さて、最初から時間オーバーだ。急いで次の監獄博物館に行かなくちゃ。網走に来た以上、絶対押さえておかなきゃいかんものだしね。 そして車を走らせること、40分くらいかな。ついに到ちゃ... あれ、閉まってる?時間はまだ17時15分。なんでだろうと改めて調べてみたところ、 10月以降は閉館17時だ... マジか、健全な時間に終わりすぎだろ。俺はその時点でとりあえず諦めるしかねぇかとってなってたのに、同じタイミングくらいで着いた家族が、どうしてもダメかと食い下がってて少し笑った。さすがに閉館過ぎてからは無理だろ。 それにしても困った。すでに陽も暮れ始めているので、裁判所のちょっとした撮影なんかもできやしない。 とりあえず地図だけじゃよくわからない桂台駅に車を停めて、裁判所までの道のりを確認しとくかと思ったけど、さっきまで紹介していた通り駐車場なんて無い駅だからただ駅前をスルーしただけ。 こりゃ明日の予定を立て直さなきゃな。よりによって、一番重要度の低いところしかこなせないという、後輩にPDCAを説いているとは思えない体たらく。 困ったなぁ、明日何時起きだ?...あ、とりあえずビールね。 明日最初の予定より早く起きて、サロマ湖に向かって...あ、次日本酒ね。 まっ、そんなに湖に時間かけないだろ。おっ、それ何焼いてんの?ニシン?それ俺も頂戴 ぎゃっはっはっ、網走の美味いもん全部持ってこ〜い!! …… …… …… ……Zzz そして翌日、朝4時半に無事に起床。 寝坊したらしたで、湖の予定をすっ飛ばせばいいと思っていたのに、起きてしまう自分のプロ根性が恐い。まぁ前日、撮影も早く終わる羽目になったから飲み始めも早くて、10時には寝てたから起きれたんだけどね。 湖を朝早くに回して、とっとと次の場所に向かい、博物館は最後に時間があったら行くということでなんとかスケジュールが組めそう。 それじゃあサロマ湖に向けてレッツゴー!! どこに向かったらいいか分からなかったので、とりあえず「道の駅 サロマ湖というのがあったのでそこに向かうことにします。サロマ湖展望台というのもあったのですが、そこはとんでもない悪路で時間もかかるとのことだったので断念。 結局1時間半近くかかりましたかね、 「道の駅 サロマ湖に到着。7時前なので、さすがに何かを期待するのは野暮ってもの。 サロマ湖を一周する遊覧船などもあるようです。この前、初めて屋形船に乗ったんですけど楽しくて、このサロマ湖一周にしても、船業界って知られていない楽しみ方多そうですよね。これとは別ですが、仕事をリタイアされた年配の夫婦などにフェリー旅などが人気でもあるようですし。   この駐車場からは全く湖の様子が見えないので、ちょっと登ることにします。馬が放牧されていたりして、あの独特な臭いがして湖の近くに来ている感覚はありません。 徒歩で行ける範囲は登りきったので、また湖の方を見てみると、 ちーん...。俺は朝早くからいったい何しに来たんだ。 悲しんでいる暇はないので、じゃあお次のところへ向かうかと車を走らせていたら、   途中でサロマ湖見れる駐車場みたいなところがあって、普通に見れた。本当になんなんだ俺の計画の杜撰さは。 ここでWikipedia情報。サロマ湖オホーツク海岸の北見市常呂郡佐呂間町紋別郡湧別町にまたがる湖。北海道内で最も大きな湖で琵琶湖、霞ヶ浦についで日本で三番目に大きな湖汽水湖としては日本最大。 海にしてもこのサロマ湖にしても、あまりにもデカいとどこ向いても同じ景色だから、写真にどう収めたらいいかわからん。まぁでも見れて良かったよ。 お次の能取湖は、特に目的地を設定していないけど網走方面に向かう道沿いにあるから、とりあえず車を走らせる。 期待通り駐車場に遭遇。能取湖「のとろこ」と読むんだね、これは難しい。   広くて大きな湖もいいけど、なんかこうところどころ陸が入り組んでいる方が湖に関しては好きかも。ちょっと気に入った能取湖  監獄博物館の近くにある網走湖沿いから、サロマ湖の方まで自転車道というのがあるらしい。聞いたことはあったけど、見るのは初めてだな自転車道。自転車企画、隠岐の島で乳房杉を見に行って死にそうになるくらいなら([http://d.hatena.ne.jp/boutyou-works/20170924/1506256881:title=該当ページ]へ)、景色的にこっちにしておくんだったな。 無事に湖3つを回ったので、残すは本命の裁判所と監獄博物館。裁判所は先程までご覧いただいた通り、40分歩いたり、一見秘境駅みたいなところを探すのを苦労しましたがなんとか撮影完了。 残るは昨日行けなかった、監獄博物館です。と、散々前フリもしちゃったんだけど、はしゃぎ過ぎて写真の量が半端ないんだよな。すでに文章も過去最高クラスに書いちゃってるし。なので、写真を中心にした紹介とします。 入口       館内はこんな蝋人形がやたらいる。     成り立ちのムービー、大音量で再生したのはいいけど、途中飽きちゃって放置してごめん。 ここで少し解説しましょうか。網走刑務所は執行刑期10年以下の受刑者の収容を目的とする刑事施設で日本最北端の刑務所。 明治維新後の日本は内乱による政治犯などが続出したため、監獄は過剰状態に。それと同時に富国強兵を掲げ、かつロシア帝国の驚異を防ぐためには北海道の開拓が不可欠だった。そこで、北海道に刑務所を設置し、そのまま労働力として使役させ北海道の防衛と開拓を進める政策を執った。刑を終えたら、そのまま北海道に住み着いてくれればなどという考えもあったらしい。 1,400人弱で中央道路の開削工事を行ったが、1年で約160kmを開通させるという過酷なもので怪我や栄養失調から200名ほどの死者を出し、国会で追求されるほどの社会問題となり囚人使役は廃止された。 網走の発展は刑務所設置と大きく関わっているが、地元にとって刑務所は決していいイメージではないため、戦時中には刑務所の名称変更を町が提出しているが不採択となっている。以上、ほぼWikipediaより。   まぁこんな意見もあるし、刑務所という悪いイメージはともかく圧倒的に知名度は上がったよね。刑務所があるからって、悪いエリアってことはないんだし。 では、引き続き写真紹介に戻ります。     受刑者作業製品から普通にお土産まで。手錠を売ってたのは少し笑った。 裁判所だと!!これは、俺が行かなくて誰が行くんだい!? 到着〜!!これで253軒コンプしたことにならんのかな。         いやぁ堪能したぁ。休日ということもあって、博物館全体的には人は多かったんだけど、この裁判所については誰もいなかったことからも、いかにこのブログがニッチなところをついているか、最終回1歩手前にてようやく認知     受刑者っぽい写真が撮れるコーナー。ところどころこういうブラックなユーモアが秀逸。     こんな楽しくない「やってみよう」も珍しい。まぁどっちもやってみた訳ですが。 まぁ本当は紹介したのに倍くらい写真を撮っているのですが、単純に疲れたのでここまで。結局1時間半くらい時間をとれたんですけど、それじゃあ足りないくらいとても楽しんじゃいました。北海道らしさは何も雪山や札幌だけではありませんので、是非一度行かれてみることを強くお薦めします。 さて観光として挙げていた場所は無事にコンプしたのですが、実はもう一つ行きたいところがあるのです。 ここ網走へのアクセスですが、網走市の中心地から約20km離れた女満別空港を使うのが便利です。地元の方以外で空港へは99.999%網走駅から出ているバスを使うはずなのですが、残りの0.001%の方法を使って帰路につきたいと思います。 西女満別行きの切符を買います。ここで分かる人は分かるでしょう。 西女満別駅というのは女満別空港の最寄り駅なのです。ただ電車の本数も少ないですし、見た目の割に西女満別駅から空港まで30分近く歩くことになることから、ほぼ空港へのアクセスとして使う人はいないのだと思います。 そして、それ以上に... 秘境感が激しすぎて、誰も使いたがらないんだと思います。電車はまぁまぁ人乗ってたし、旅行の人っぽいのもいたので降りるかなと思ったのですが、ホームには私一人ポツリ。 とりあえず駅名標は撮りましたが、電車が去ってしまっては聞こえるのは風になびく木の葉の音ばかり。自然のど真ん中といえば聞こえはいいかも知れませんが、まぁまぁに恐いです。絶対に夜は無理です。 一応待合室はあります。でっかい蛾がいたんで、思わず声を出してしまいましたが。   そして駅から出る道がこれしかありません。 距離にして150m程度ですが、本気で熊とかいたらどうしようと思っちゃいました。熊は一応臆病で、人間がいる気配を感じるとむしろ近づかないようなので歌を歌うのは効果的とありました。鼻歌を歌っても仕方ないので、声を出して歌える曲って今も昔も変わらないものですね。 ♪ある〜日、森の中、熊さんに、出会〜った♪ 出会っちゃダメじゃねぇか!とベタなボケをかましていたら、一般道に出ました。振り返ってみると、 どうやったって駅に向かう道ではございません。     ただ、ここから道は綺麗な緑で歩いていて本当に気持ちよかった。こういう自然の感じ方は僕ぁ好きなんだよ。 途中橋を渡るのですが、その際に線路の上を通ります。すると、さっき下車した西女満別を見ることが出来ます。 この写真で見ると、改めて凄いところに駅があることがわかります。え、わからない?じゃあ、少しズームしましょうか。 僕のカメラじゃこれが限界。随分凄いところに降り立ったものだと思っていたけど、 十分この先も山に近い感じでとても空港に向かう道とは思えず不安に思っていたけど、 ようやく表れた建物の雰囲気ににほっと一安心。   そしてようやく、女満別空港に着いたのでした。 いやぁいい旅だった。 北海道いろいろなところ行ってきたけど、やっぱ知らない魅力を持っている地は多いよね。アクセスの問題がどう考えても一番大きいけど、電車、バス、知らないとこに空港と北海道も頑張ってるから、是非有名どころだけじゃなく興味を持って欲しいな。 そして遂に訪れるラストの地。 ここも一筋縄で終わらせるつもりなどありませんので、皆さん最後までお付き合いいただければと思います。 〔仙台地裁編へ〕・・・12月30日更新予定