お客様、自転車にアレがついていないのは一目瞭然かと……。
裁判No.16
事件:「自転車運転過失傷害」 概要)自動車で歩行者と接触事故。
「道路交通法違反」 概要)無免で運転
被告人:40代後半の女性
傍聴席:13人
裁判の中身は「続きを読む」からどうぞ。
私も4月1日をもって社会人3年目「普通」です。
新卒のころの初々しさは何処へやら、今回もはりきって裁判のお話をさせていただきます。
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というのも、当ブログが支援している、あのアイドル様はとある表現が誤解されてブログが炎上しかけたことがあるんすね。
センシティブな部分の表現には気を遣わんといかんという話。
被告人は40代の女性。
被告人は国際免許証は持っているのですが、日本での免許取得の経験はなし。その状態で、運転をすることを数度。何度か警察から注意も受けています。
また、T字路の横断歩道を走行中に83歳のおじいちゃんをひっかけちゃって、全治約2週間の怪我を負わせたという事件。
結構、この国際免許は持っているんだけど日本の免許は……、っていう交通違反って多くて、まぁ冷静に考えると普通に運転できる技術はあるのに、再度一から講習受けるってのがバカらしいというのはわからんでもないけどね。
ただね、この人の場合、最初に運転中に携帯電話で通話していたのを注意され、そのときに免許証のことも知ったらしいのね。そしたらまぁ、携帯で電話するわ免許持ってないわで警官が顔を覚えてたらしくて、あ、また乗ってるって感じで5度も注意を受けてるんだわ。
単なるって言っちゃいけないんだろうけど、単なる無免くらいで逮捕できないってのはわかるよ。でも、注意しても聞く耳も持たないし、もはや警察からマークされているようなもんなんだよ。なんとか法的措置をとれんものなのかねぇ。結局、事故も起しちゃったわけだし。
あと疑問点が一つあります。被告人はどうして車を持っているのかということです。
被告人には旦那がいるのですが、旦那とは別居中。ちなみに、この車は旦那名義でも、もちろん被告人名義でもありません。では、被告人が乗り回していた車はなんなのか?
被告人の勤め先の車なんです。
免許持ってない奴に車を乗り回させるなんて、どんな会社だよ!?と思うじゃないですか。大丈夫です、ちゃんと質問で聞きますから。
弁「そもそも被告人は、どうして会社名義の車を所有していたのですか?」
被「勤務先は、私に対して給料の未払いがかなりありましたので、その代わりとして借りていました」
皆さん、理解できましたか?
はい、先生。僕は、全然理解できないです。
現況、被告人らは新たな事業を立ち上げている最中らしく、資金繰りも厳しいのでしょう。給料の未払い、もちろんあってはならんことです。……で、でよ、そこからどうして運転する権利の持たない車の譲渡につながるの?担保ってこと?違うよね、きっと。
どっちもどっちって言葉じゃ片付かないですよ。50:50じゃないっす。どっちも100:100で悪いです。その認識が欠けてますね。
弁「あなたね、事故を起こして逮捕される前の1月で計3回も警察から注意を受けていますよね。その前にも受けています。どうして車に乗っちゃうんですか?」
被「1回目はですね、私が火傷をしてしまいまして、急いで薬を買いに行かなきゃいけなくて」
弁護士としては、車に乗ってしまったのは当然悪いことであるが、止むに止まれぬ事情があったので情状酌量をという方向に持っていきたいんでしょうね。
もちろんわかりますよ。火傷を起こしました。もちろん放っておけなんて言いません。薬買うなり、なんなりしますでしょうよ。
じゃあ、あなた車持っていなかったらどうするつもりだったの?と聞かれたら、別の選択肢が出てたでしょうに。
弁「2回目はどうして乗ってしまったのですか?」
被「車に乗ってはいけないと思いまして、自転車を購入いたしました。しかし、自転車にカゴがついていなく不便だったので、カゴつけてもらうために車で運んでいました」
例えば、ジグソーパズルを買ったとします。
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自転車を買いました。カゴがついていません。「おい、カゴついてねぇぞ!」と購買店に行く。そんなん買ったとき、わかんだろ。
そもそも無いのカゴだからね。サドルがないとかじゃねぇんだから、自転車屋へも自転車漕いで行きゃいいのに。全く理由として機能してないですね。
弁「3回目は?」
被「子どもの具合が悪くなりまして、急いでいて焦って乗ってしまいました。」
さっきの火傷の話も微妙だったんだけど、結局は一番早いんだよね。タクシー呼ぶにしても、救急車呼ぶにしても呼んでから待つ時間を考えたら、自分で行っちゃうのが早いに決まってるんだよ。
「じゃあ、病状が悪化するのを待っていればよかったんですか!?」と言われたら、もちろん免許を持っていない被告人が悪いんだけど、じゃあ頭ごなしに否定できるかと言われたらそれもできないよね。ここは難しいよね。
弁「息子さんは病気を患っていますね?」
- 息子は病気を患っている。だから、いち早く処置ができる環境が必要。だから車を運転してしまう環境はやむを得ない部分がある
としたいのか。それとも、
- 家族が病気を患っているので自分が刑務所に入ると誰が面倒を見るのか?その観点からも、被告人には社会内で更生させるべき。
こういう主張なのか。どちらともとれます。これそのものは、よくある手法。ただ、
弁「息子さんは病気を患っていますね?」
被「はい、身体障害者です」
弁「質問、終わります」
ここさぁ……そのなんて言うか、障害者ですっていうことを最大限アピールして質問を終えた弁護士に僕すげぇ腹立っちゃって。
というのも、障害者の人に対して、ケアできる環境を整えるべきというのはもちろんわかりますよ。でも、この「障害者です」という言葉が前面に押し出されたまま終わる質問の形式だと、ちょっと表現気をつけますけど「障害者の家族がいます。だから、ほら……あとは察してよ?」みたいに捉えることができちゃって、障害の程度も明らかにしない、具体的なケアはどういった方法が必要なのかもわからない。ただ、家族が障害者ですってだけで、情状が酌量されると思ったら、大間違いだぞ!!
……なんか最近、怒ってばっかな気がするなぁ。
次回は、肩の力を抜いたオッサンの話でもするかな。オッサンにしても、結局は犯罪を犯しているわけだから、もちろん悪いんだけど……何て言うかホントだめ〜な感じの人のを傍聴しちゃうと、怒る気も失せちゃうんだよね。性格出るよね。
僕の傍聴記を読んでくれている友人に話を聞いたりすると、面白いって言ってくれる記事がそれぞれ違うんだよね。みんな関心としている部分が違うんだなぁと思って、いつも面白いなぁって感じるんだよね。どうでもいい話ですけど。