すごい裁判官・検察官ベスト30

風の吹くまま、気の向くまま 何を読むかは賽の目次第 裁判博徒の看板背負って 歩いてみせます読書の天地 題して The Book Review 今回、紹介する作品は、 かなざわいっせい、「すごい裁判官・検察官ベスト30」(東邦出版 1,300円+税) 内容Amazonより): 究極の人間ドラマを演じるのは、トンデモ判事&キテレツ検事。セクシー弁護士も登場。爆笑&号泣の法廷を一挙紹介。 著者Amazonより): かなざわ いっせい 1955年兵庫県生まれ。競馬周辺雑記人兼傍聴官 と、いうことでレビューは「続きを読む」からどうぞ。 レビューに入る前に。 もう春の甲子園は終わっちゃいましたけど、開催中に何度かブログでもつぶやかせていただいたアニメ「サスケ」の応援歌がうpされていました。 マジ、かっけぇし。夏も出てこないかなぁ……。 さて、現実に戻るか……。 さて、そんなわけで、もう難しい言葉とか理論とか一切抜きにして、「バカモンっ!!」って一言で済ませたらどんだけ楽だろうと切に思った「こち亀の大原部長」型書籍評論コーナー「The Book Review」でございます。 今回扱うのは「すごい裁判官・検察官ベスト30」という作品。 人ってさ、まぁ少なくとも僕はって話ですけど、もうどうしようもなく合わない人っていると思うんだよね。生理的にとか言うと、なんか偉そうな感じがするからあんま好きじゃないんだけど、まぁニュアンスはそんな感じよ。 でね、さらに偉そうで大変申し訳ない。多分僕ね、この著者とどうしようもなく合わないわ。それが、この本を読んでの最初の感想。 思い出されるのは、高校時代。 >> A「あのさぁ、あのさぁ、ちょっとマジ面白い話あるから聞いてほしんだけど」 俺「(うわっ、面白くないフラグすでに立ってる)……で、なに?」 A「あのさぁ、俺の中学の友達にBって奴いたの知ってんべ?」 俺「……え〜っと、パワプロが異様にうまいって奴だっけ?」 A「違ぇし!そうじゃなくて、3ヶ月くらい前にぃ、ほらっ、そこのセブンの前でアイス食っててさ、おっ久しぶりじゃんとか言ってた奴いんじゃん」 俺「(それだけで、俺が記憶しているの前提に話そうと思ってたのかコイツは)……あぁなんかいたね」 A「で、アイツが最近、彼女出来たとか言ってて、カワイイカワイイうるせぇから、ぜってぇコイツがそんなカワイイ彼女いるわけねぇしと思って、じゃあ会わせろよって言って会ってきたのぉ、そしたらぁ」 俺「(ま、まさか面白い話って……)」 A「マジ、全然っカワイくなくて、マジ、超ウケたんだけど。面白くね?」 俺「……そうだね(−ω−)」 << って感じの本なの、これ。わかる? つまり、実際自分は見てないし、そいつが言ってるだけで本当にいるかどうかもわからない奴について、エピソードが面白いんなら笑えるんだけど、容姿とかその場にいなきゃわかんねぇってのを面白さを共有しましょうみたいに言ってくる。それアンタの匙加減でしょ?と。そんな気分にさせるんだな。 >> 【裁判官】……独断推定58歳男性。額が広く光っていた。「あんたよりも肉体年齢はわかいですから」という目で検察官を見ていましたね。(42ページ) << 知らねぇよ。 >> 【弁護人】……頭に手拭鉢巻をすると、八百屋のオヤジに見えるだろう。(148ページ) << だから、知らねぇっつうの! >> 【検察官】……歴史は参考書の欄外に記されている注釈まで一字一句記憶して100点だが、数学は35点。そういう奴が多い早稲田大学卒と独断認定。裁判官に対してやたら腰が低い。東大卒にコンプレックスを持っているからか……。(142ページ) << 知らねぇって言ってんだろうが!! ホントに言いたいことは山ほどあるの。誰かがレビュー言ってましたよ、妄想が激しいって。まさに、その通りで、且つこの人がタチが悪いのが、自分が勝手に妄想広げちゃっているくせに、急に冷静になって妄想の中の人に突っ込んだりしちゃうわけよ。現実と妄想がごっちゃになるの。 そんなねぇ、妄想で読者がついてくるのなんて、「東京大学物語」で終わったの。 この漫画のオチはある意味、斬新でしたよねぇ。 で、いくら、僕が自分の言葉で妄想が激しいってギャーギャー言ったところで、伝わらないと思うんで抜粋します。かなり長いですけど、大事なところなんで、ついてきてください。 >> 「だからッ、梶原はその歳で、ええと……62歳で、あんたとセックスできたのかッと訊いているんだ!」 被告人・野川鈴子は、答えた。「できましたよ、もちろん」 妙な間だった。 独断推定66歳の弁護士は、「ほほう」というふうに仰向きながら唇を尖らせている。失礼ながら、弁護人はもうそっちのほうは現役を引退されている様子である。「しかし」と弁護人は首を少し傾けた。「62歳というと4年前か、さああ……どうだったけなあ、やってましたかね、私は……」と思い出そうとしているに違いない。 そして、検察官に視線を向けた。「お宅なんか、私よりもずっと若いんでしょうから、もちろん現役でしょうな?」という目で検察官を見たのである。 検察官は、しっかりと視線を感じ取り、その視線に乗せた弁護人の問いかけ内容を理解したのだろう。ほんのちょっと怯んだ。慌てたと表現したほうが適切かもしれない。思わず、裁判官のほうを見たのである。 裁判官は、「もちろん私は現役続行中であります」という顔で、検察官の視線を跳ね返した。「一昨年の夏あたりに一度、引退宣言をしようかと思うほどに落ち込んだのですが、うちのナニの……」 (長くて面倒だから省略) あのなあ?と目をつぶったのは、傍聴官かなざわであった。被告人・野川鈴子は、覚せい剤を射ちましたと認めているのだ。有罪です。 梶原がその、ナニの現役選手かどうかは、被告人・野川鈴子の罪状にどうにもこうにも且つちびっとも影響するものではないでしょうよ。 「もうさっさと厳かに結審しなさい!」(49ページ) << ……これは、ヒドい、ヒド過ぎる。 多分これ、テンション上がっちゃって、自分で書いてて楽しくなっちゃってんだろうな。ラジオのハガキ職人によくある傾向ではあるんだけどね。 人様に見せるために、修正、校正を行ったとは絶対に思えないもん。よく言う、夜書いたラブレターを翌朝冷静になって読み返したら、恥ずかしくてしょうがなかったって部分が欠落してるんだろうな、著者も編集者も。 編集者もっていったのはですね、明らかに本の体裁がおかしいんですよ。 >> 【裁判官】……「はい、どうぞ」が口癖の独断推定36歳男性。モアイ像裁判官とは逆に、華の東京に着任したばかりの様子で元気。(16ページ) << この話の裁判官をモアイ像裁判官ってのと対比してるんだけど、読めばわかります、ここまでモアイ像裁判官ってのが出てきてないんです。これは驚いた。 そしたら、90ページにして、ようやくモアイ像裁判官が出てくるんですよ。順序がおかしいんですよ。どう考えたって編集者もやけっぱちになってたとしか思えない。本として、おかしいだろ。 で、この妄想裁判傍聴記、結局何が一番気に食わないかっていうと、妄想ばっかしているせいで裁判そのものが全く広がりを見せないんですよ。 それと、この人が裁判ってものの何に魅力を感じているのか、何を面白いと思っているのか。ってか、裁判ってのはそもそもどういう形式の下行われて……みたいなのが一切ないのよ。 これ、裁判の本としては非常に致命的で、結局裁判本なんて読んだことある人なんてほとんどいないわけよ。でも、最近少し流行ってるみたいだし、実はちょっと興味もあったしなぁって人が手に取るのが大半だと思うんだな。 そんな人たちに対して、裁判本の定番である裁判所の入り口に入るには荷物検査をしてみたいな記述も一切せず、裁判の中身に触れずに関係者の容姿を基に妄想に終始し、そして終いには妄想している相手に対してツッコミですよ。 こんなんじゃね、本の裏帯に書いてある >> あなたは思わず叫んでしまうでしょう。「私を傍聴に連れてって!」(書籍帯裏より) << こんなこと言うわけねぇじゃん。だって、これじゃ、裁判ってどんなもんかちっともわかんないんだもん。 あぁ〜もう腹立つ!阿川佐和子に会ったら、この本に出会ってしまったことをエピソードとして載せてもらおう。 まぁ、あとは自分のことを傍聴人じゃなくて、傍聴“官”とか名乗っているところも、ちょっとマジ勘弁って感じでしたね。失笑。ってか、はっきり言ってそこが一番腹立った。何様だ、と。こんなこと書いてる僕もですけど。 そんなわけで、はっきり言ってお薦めポイントとか全くと言っていいほどないんですけど、まぁなんていうの、この本妄想ばっかだからさ、血気盛んな妄想大好き男子中学生に向けては、 お薦めです! むしろ、みんな読んでみてくださいよ、貸すんで。むしろ、そのままどっか持ってってください。twitterでもなんでもいいんで募集します……。 では、気を取り直して、次回の賽の目1枠.「裁判官の人情お言葉集」
裁判官の人情お言葉集 (幻冬舎新書)

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2枠.「裁判官だってしゃべりたい!―司法改革から子育てまで」 3枠.「「裁く」ための練習帳」 4枠.裁判員 選ばれる前にこの1冊」
裁判員 選ばれる前にこの1冊

裁判員 選ばれる前にこの1冊

  • 作者:清原 博
  • 発売日: 2008/11/28
  • メディア: 単行本
5枠.「つぶせ!裁判員制度 自己推薦枠の6枠.霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記」 もはや、怖いもの見たさだよ。まぁ怒るって決まってんだけどさ。でも、今回ほどは怒らないんじゃないかなぁ……。 さぁ、それじゃあ6枠揃いましたね。それでは参りましょう、 Let’sサイコロTime! ドキドキ ドキドキ 3枠〜!!「「裁く」ための練習帳」 ちょっと、どんな本かわかんないんですけど、久々に法律にちょっと踏み込んだ本になるのかな。少し、楽しみだな。 今回の読んだあとだと特に。