スリの銀次なら3000万円でも安いくらい

boutyou-works2010-11-28 裁判No.52 事件:「窃盗」 概要)スリ    「詐欺」 概要)盗んだキャッシュカードで金を下ろす    「詐欺未遂」 概要)なんだっけ忘れちった 被告人:30代前半の女性 傍聴席:4人 裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。 昔、なんかのテレビ番組で日本のスリの技術は世界で一番みたいな特集が組まれててさ、世界のスリはぶつかった際に標的に気付かれずに内ポケットに入れている財布を抜き取ることはできるけど、日本のスリはそこからお金を抜いて元の場所に戻すことができるとかできないとか。 そういや、万引き犯の話はしょっちゅう見るけど、スリの案件って見たことないかもなぁと思ったからというわけではないですが、今日の話はスリの話です。 もうすぐ12月ですが、今年も公私共々なにもいい事も悪い事もなく一年が終了しそうだなぁでお馴染みの「普通」です。 今回もはりきって参りましょう。 今回は初めてスリの案件、しかも女スリ師に出会ったということで友人に報告してみたところ、「すげえ、キャッツアイみてぇじゃん」と言われたんですけど >> -別にキャッツアイはスリではない。 -現場にキャッツカードは残されていなかった。 -ってか、見た目、普通のおばちゃんだし << の3コンボで普通にシカトをかましてはみたものの、やはり女スリ師というだけで若干興味はいつもより強め。キャッツアイって久々に聞いたから、曲が聴きたくなったのでこんなのも貼ってみたり まぁ見た目おばちゃんとは書いたものの、齢31歳にして前科2犯も全てスリということを考えるとキャリアはなかなか。 とりあえず、今回の事件の概要。 >> 被告人は被告人の娘、友人、友人の息子の四人で浦安の某ネズミーランドにて遊んでいたとのこと。 友人が喫煙所に行くと言って息子を被告人に預けて、被告人と子ども二人になったとき、たまたますれ違った42歳のおばちゃんのバッグから財布を抜き取り、そのお金を使って飯を食うわ、クレジットカードで換金目的でネズミーランドのワンデイパスポートを65枚も買ったり、キャッシュカードで現金を下ろそうとした疑い。 << すれ違いざまにバッグから財布を抜き取るなんてあるんだなぁと思っていたら、被害者も「いつ盗られたのか全然気がつかなった」とコメント。それどころか、「家に帰ってからようやく気がついた」とか言ってたんで、少なくとも被害者はネズミーランド中は金を自分で使う気はさらさらなかったんでしょうね。 その一方で、 >> 「ネズミーランド(もちろん裁判では正式名称)に来る人の財布なら、結構入っていると思った」 << と被告人は被告人でヤル気満々。 被害者の財布に10万円が入っていたから良かった(?)ようなものの、そもそも支払う気持ちがゼロの被害者の財布の中に、お土産のチョコクランチ代しか入っていないという事態も想定できただけに、被害の結果は重大だと言えます。 とりあえずスリ癖を直すためにも監督者が必要だよね。 というわけで証人尋問は被告人のお母さん。 >> 弁「被告人は普段はどんな性格ですか」 証「はい。普段はとても大人しくて、私だけでなく周りにも気配りの出来るやさしい子で、正義感もある子なので、今回どうしてこんなことしてしまったのか……」 << あぁ、たまにいるんだよね、どんだけ熱弁しても「そうは言っても何回もやってるからね〜」で論破出来ちゃう人。 今回っていうか、もう3回目だからね、そこはちゃんとお母さんの方でも認識していただかないと。 >> 弁「今回、どうしてこんなことをしてしまったかわかります?」 証「はい。銀行にお金を払わなければならない(借金の返済)時期が近づいてきたので仕方なくやってしまったんだと思います」 << もしかして、借金の返済のためにスリでも行うってのが正義感なのかしら?なんだか、銀行さんが悪いみたい。 で、ちょいと話が出ましたけど、被告人には借金があるんだな。しかも3000万円も。まぁ借金というか、二世帯住宅を建てたときのローンらしくて、詳しくはよーわからんかったんだけど本当は離婚した被告人の元夫が払うはずだったのが、なにがどうしてか被告人が払うということになっていたとか。 まぁ被告人にも話を聞いてみましょうや。 >> 弁「犯罪を犯す前に、前の夫に相談するという選択肢はなかったのですか?」 被「全く思いつきませんでした」 弁「犯罪を犯すより、前の夫に相談するという方が難しいということですか?」 被「難しいですね。彼にお金のことで頼りたくはなかったので」 << まぁ、前の旦那と決別するのは勝手だけど、人の金に手をつけんなよ。 >> 弁「やってしまったことに対して、どう思っていますか?」 被「今後は、自ら罪を犯すような真似はいたしません」 << 自ら犯さない?じゃあ、今まではなんだったの? あー銀行さんに借金を返さなきゃいけないから仕方なく盗んでたんだもんね……ってそれじゃあ今までと一緒じゃねぇか! まぁ親も親なら子も子で、なんか反省感に欠けますなぁ。 まぁあと、個人的にお気に入りだったのが検察官からのこの質問 >> 検「ネズミーランド世間では「夢の国」と言われているようですね。そんなところで、盗んだお金でご飯を食べさせてもらったりした子どもたちはどう思うんでしょうね」 << いや、別に最初の一文いらなくね?さては、検察官も好きだなきっとネズミーランド。 >> 検「被害者についてはどう思っていますか?」 被「とても申し訳ないと思っています」 << ホントかよ?と思ってたら >> 検「じゃあ、どうして何度も繰り返しちゃうんですか?」 被「カードを使っているその間は、被害者の方は目の前にいないですよね?」 << ダメじゃん、コイツもう。もはや次は、被害者が目の前にいるのに、カードを使っているスリルがたまらないとか進化していくんだろうな。 そんな夢の国ではない、裁判所でのお話。