辞めません。でも頑張りません

boutyou-works2011-02-11 裁判No.57 事件:「窃盗」 概要)いろんなとこで万引き    「建造物侵入」 概要)泥棒するため建物に不法侵入    「器物損壊」 概要)泥棒するために窓ガラス壊しちゃった。 被告人:30代前半の男性 傍聴席:4人 裁判の続きが気になる方は「続きを読む」からどうぞ。 今回、扱うのはこのブログでは珍しくもなんともない「窃盗罪」。ただ、一言で窃盗と言っても事件の内容なんてのは当然千差万別。 被害額の大小という点で考えると、僕は傍聴したことありませんけど何百万もする宝石やらを盗むルパンみてぇなのもいるかもしれません。僕が傍聴したことある中で窃盗額が一番低かったのは恐らく、カップラーメンを2つ(2つで150円相当)パクったオッサンかな。 ほかには盗ったものの数の大小なんてものも。財布を一つスる人もいれば、最高で40点くらいだったかな?スーパーで食材やらなんやらを窃盗したオバサンってのが個数の最多記録じゃないかな。 今回、盗んだ数の多さでは最多記録には及ばないものの、盗んだ場所の数という意味ではなかなかのインパクト。 明日引越しなんですけど、住む家という意味では6軒目になることでお馴染みの「普通」です。まぁそれなりに多いんじゃね? そんな訳で、引っ越しの準備は深夜帯にまで及びそうですが小休止して、今回もはりきって参りましょう。 >> 被告人は30代前半の男性。 被告人は解雇処分を受けた会社に逆恨みをし、休日の誰もいないときを狙って会社荒らしを計画。 まずホームセンターに行って、会社荒らしをするための工具類(8,000円相当)を窃取。 次いで深夜、会社荒らしをする現地へ行くための足として、駐車場でカギが差しっぱになってた車を窃取。 途中、何故かコンビニで飲料を窃取。 そしてお目当ての会社に行って、窓ガラスを割って会社に侵入したはいいものの、ガサゴソやっているときに警備員さんに見つかったという案件。 << なんて言うか、逃亡中に整形までし、無人島でサバイバル生活を行っていた市橋容疑者も真っ青の現地調達能力。 行動を決めたら後先考えず突き進む姿勢は、犯罪者のタイプの中でも、猪突猛進タイプ型窃盗犯ですね。まぁそんなタイプ今作ったんですけど。孫正義ツイッターみたいでもあります。 >> ユーザー「会社荒らしをするために、工具類が必要なんですけど」 孫「盗りましょう!」 << みたいなね。下らねぇな。いくらiPhoneの電波が悪くてイラつくからって、そんなこと書いちゃいかんわな。 さて被告人質問です。いろいろ突っ込みどろこ満載の被告人ワールド全開です。 >> 弁「今回、どうして盗みを働いてしまったのですか?」 被「私を不当に解雇した会社を恨んでのことです。後悔はしていません」 弁「あなたね、良くないことですけど百歩譲って、解雇された会社に恨みを抱くというのは分かりますよ。でもね、今回会社とは関係ない人まで巻き込んで盗みをしちゃってるでしょ?それについてはどう思ってるんですか?」 被「つまり、それほどまでに私が怒りを覚えていたということです」 弁「いやだからね、その関係ない人たちに申し訳ない気持ちはないんですか?」 被「もちろん私は、強くその気持ちを抱きながら犯行を行いました。また同時に盗みを行う原因を作ってしまった会社にも、同様に被害者の方に申し訳ない気持ちを抱いてほしいです」 << あんまいい表現じゃないけど、こいつ頭おかしいだろ。 弁護士同様、一万歩譲って会社に恨みを抱いての犯行のみだったら良しとしてやんよ。でも関係ない人巻き込んでおいて、あくまで被害者面を通そうとしてんすよ。僕ね、このタイプの被告人嫌いなのよ。 もう追及は検察官に任せましょ。 >> 検「あなたさぁ、なんで飲み物盗ったの?」 被「……」 検「喉が渇いてたからだよねぇ?さっきから会社のせいだとか言ってるけど、喉渇いたから物盗るってのは自分の私利私欲のためじゃないんですか?」 被「……」 検「あと、あなたがさっきから言ってる会社の不当な解雇ってなんですか?無断欠勤を月に10度もするような人を半年も見過ごしてくれていた人が解雇通告を出すことが不当だと言うのですか?」 被「……」 << オメェさぁ、なんなのマジで!?事件概要を聞いた時点で、一瞬でも会社の不当な解雇ってなんだろう?って社会人らしく疑問に思っちゃった時間を返してよ。 しかもさぁ、検察官の質問には答えられなかったくせに、裁判の最後に被告人が一言言うことができるんだけど、 >> 被「私は、今でも会社での不当な扱いについて強い疑念を持ってることだけは宣言いたします」 << とか、あくまで事件とは関係なくて、検察官には何も言い返せなかったことぶり返したりしてんの。 法廷は労働環境について云々言う場所じゃねぇから。まぁ逆に言えば、その犯した罪についての言及がほとんどなされなかったんで心証としては最悪ですけどね。 驚くべきなのが、この人が初犯だったってことなんだよね。明らかに盗むということに対して、神経が麻痺っちゃってるような犯行内容だったからさぁ。特にコンビニの窃盗なんて麻痺以外のなにものでもないよね。 結局、この人が考える不当な解雇ってどういうことを指すものだったんだろうね。
「新・ぶら下がり社員」症候群

「新・ぶら下がり社員」症候群

  • 作者:吉田実
  • 発売日: 2011/01/28
  • メディア: 単行本
この手のタイプの人だったってことなのかなぁ...