戯言使いじぃーちゃん

boutyou-works2011-02-20 裁判No.58 事件:「占有離脱物横領」 概要)自転車泥棒 被告人:60代前半の男性 傍聴席:2人 裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。 仕事中に社内にいれば下っ端の私は当然電話をとることも多いわけよ。 クレーム電話ってのはほぼ無いのはこの会社の唯一のいいとこ。一般のお客さんからの商品の問い合わせ等に関しても当然応対できるし、分かんないのは製作者に振れるから楽チンホイ。そんな中、一番困るのがじいさんの戯言。 雑談の相手にされたりとか、なんか昔話に付き合ってたのに気づいたら食べ物の話になってたり、話してるときの脳内はどうなってるんでしょうか。まぁ相手するのもそんな嫌いじゃないですけどね。 一応、こんな動画も貼っておきましょうか。 そんな訳でして、話し相手はいつでもパソコンさ!が合言葉の「普通」です。 今回もはりきって参りましょう。寂しくなんかないもん。 今回の被告人はホームレスの61歳のおじいちゃん。61歳ではご長寿クイズには出られないと思いますが、負けず劣らずの脳内ワールド展開します。 裁判の最初は、起訴されている人物と目の前の人間が一緒か確かめる人定質問ってのをやるのね。名前、年齢を聞いたあとの話。 >> 裁「本籍地はどこですか?」 被「横浜っ!」 裁「え、横浜ですか?」 被「そう、確かにあのとき横浜行きの電車のはずだったんだよ。それなのに気付いたら、次は長野〜長野〜とか言うもんだから、俺も驚いちまってフフフ」 裁「いや、ちょっと待ちなさい」 被「そんで長野なんて着いたってしょうがないってんで、降りて戻ろうと思ったんだけど、なんかそこでパーティーみたいなのやってやがって…」 裁「はい、ちょっと話止めて」 被「そしたら、立食パーティーって言うんですかね?なんか知らねぇけど、やってるもんだからさ…」 裁「だから止めろと言ってるんだ!!」 << 開始2分で激怒。そんなペースじゃ、これからの裁判もちませんで裁判長。 それにしても横浜行こうと乗った電車で長野に着くなんてことはまずあり得ませんから、たぶん頭の中でプロセスを10個以上飛ばして話してるんでしょうね。もしくは超常現象の類か。 そういや駅関連の変わった話といえば、2chで有名な「きさらぎ駅」って話があるのを急に思い出したな。 恐いものが苦手な人は見ない方がいいよ。 ってか、マジ恐くね?裁判の感想もだけど、「きさらぎ駅」の感想もお待ちしています。 裁判の話に戻りましょう。 で、今回の罪名が占有離脱物横領ってあんま聞き慣れないものだと思うんだけど、今回の場合は一言で言えば自転車泥棒。むしろ、二言で言い表しようがないけど。 被告人がチャリンコをパクりましたよ〜っていう起訴状が朗読がされてから、それを認めるかどうかの罪状認否という流れのとき、 >> 裁「ただいま、検察官が読み上げた起訴状に何か誤りはありますか?」 被「そんなよぉ、盗んだとか言うけど、ちょっと借りただけなんだよ…」 裁「はいはい、言い分は後でまた聞くからね。その事実を認めるってことでいいのかな?」 被「そもそもよぉ、自転車借りるってのも生きてくためにやったことだし、それを…」 裁「あ〜もう、聞かれたことだけに答えてくれればいいの」 被「だからよぉ、生きてくためにやることが、そんなに悪いことなのかっていう…」 裁「うるさいな!少し黙ってなさい!!」 << 「黙ってなさい」いただきました。 この裁判長が多少でも力技を行使できる人でよかったです。裁判長にいがちな、なんか物静かな雰囲気の人だったら、永遠に裁判が終わらなかったかもしれません。ここまで裁判始って5分足らず。このペースで書いてたら軽く水嶋ヒロ氏くらいの分量になっちゃうんで適当に飛ばします。 ってか、今回僕の言葉を多くするより、この被告人もとい単なるタチの悪ぃじいさんに話しててもらった方が面白いので、勝手にやっててもらいます。 被告人質問にて、 >> 弁「あなたね、生きていくために自転車を盗った…」 被「だから、盗ったんじゃなくて、借りたんだってよ」 弁「あ〜ごめんなさいね、自転車を借りたということだけど、生きていくためというのはどういう意味なんですか?」 被「そのまんまだよ。生きていくために金作ってたんだよ」 弁「ちゃんと事前に話した通りに話してくださいよ。それじゃあ、自転車を転売するみたいじゃないですか。ちゃんと仕事として使ってたんでしょ」 被「ごみ袋持ってよ、町の空き缶拾うんだよ。そしたら、200円とか300円で買ってくれるからよ、それを運ぶために使ってたんだよ」 << なんかほのぼのするなぁ。 ちなみに、被告人の口調をこんな風に書いてますけど、全く誇張でもなんでもなくて、むしろもっとべらんめぇ口調なのを僕が書ききれずに柔らかくしてるくらいで。 さぁ、続き続き、 >> 弁「なるほど、では被告人は生きるための手段として、放置してあった自転車を活用したということですね。では、次にですね…」 被「そもそもよぉ、俺が缶なんて集めたのもよぉ」 弁「はい?なんですか?」 被「もともと段ボール集めて売ってたんだよ。そしたら急に、段ボール買えねぇとか言い出しやがって…」 弁「あのね、今は私の質問に答えてください。缶で集めたお金は主に何に使っていたのですか?」 被「だからよぉ、段ボール売ってたときはよぉ空き缶なんて拾わなくてもやっていけたのに、急によ…」 弁「あのね、今は段ボールのことは聞いてないの」 被「でも、段ボールがよぉ…」 弁「買い取れない理由でもできたんでしょ」 被「んなこと言ったってよ、こっちはそれまで段ボール売って生活してたってのに、それあんた死ねってことかって…」 弁「時代は変わったんだ!!諦めなさい!」 << うるさいじいさんを騙されるセリフとして、「時代は変わったんだ」とはかっこよすぎるぜ弁護士さんよぉ。 そんな訳で本日はこの曲を聴いてお別れしましょう。また、来週!