オッサン「君、若いね」女「私、もう20だよ」ここまでがテンプレ

boutyou-works2011-03-26 裁判No.62 事件:絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律違反」 概要)野生蘭の不法輸入と販売 被告人:20代前半の中国人男性 傍聴席:17人 裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。 Q.E.D.証明終了」という漫画をご存じの方はどれほどいらっしゃるでしょうか?
Q.E.D.証明終了(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者:加藤 元浩
  • 発売日: 1998/12/14
  • メディア: コミック
1997年に最初読み切りが掲載されて、翌1998年に連載開始。マガジンイーノという正直全く聞いた事も、そして今後も見ることもないだろう雑誌にて現在も連載中。ジャンルはいわゆる推理漫画。 前も少し言ったと思うんですけど、私推理物は好きでして。で、今さらながらではありますが、ふと出会ったこの漫画に今メチャクチャはまっている最中なのであります。 ただ、皆さんにそんな激推しするかと聞かれたら、別にそんなお薦めはしません。推理部分は正直そんな面白くないんですよ。ただ、随所に見られる理科系の知識が面白いのとヒロインのかわいさは推薦しますけど。 そんな訳で、自分の本棚がマイナー漫画で埋まってきたことに日々にんまりの「普通」です。 今回もはりきって参りましょう。 なんで冒頭に、ちょいとマイナーな推理漫画の話をしたのかってのは、事件の内容を聞いてからで。 >> 被告人は20代前半の中国人男性。 被告人はワシントン条約によって輸入が規制されている野生蘭パピオペリウム(そう聞こえただけ)を日本に不法に輸送・販売に加わった疑い。 << 裁判で、検察官が事件の内容を読み上げるときって結構早口な人が多いのよ。なぜなら裁判長も弁護士も検察官が読んでる起訴状と同じものを持っているから目で追うだけでいいからね。 でも、傍聴人にはそんなの配られるわけもないから、早口で言われると聞いたこともない野生蘭の種類なんて正確に書き写すことなんてできるわけないんだよね。なんとなく聞こえた「パピオペリウム」でググっても、検索ワードに引っかかってこないし。 そこでやってきました、Q.E.D.」7巻でのこのコマでございます。
Q.E.D.証明終了(7) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(7) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者:加藤 元浩
  • 発売日: 2000/08/08
  • メディア: コミック
「パフィオペンディラムはワシントン条約輸入禁止の花ですよね?」 来た!パフィオペンディラム、これに違いないとさっそくGoogle先生へ。 微妙に違ったみたいです。 とは言っても、その先のリンクからするとパフィオペディラムもしくは「パフィオペディルム」が正式のようです。 でね、今回テーマにしたいのが、別にマイナー漫画の面白さ云々でも野生蘭の呼び方でもなく、この犯罪行為に対しての認識がいかほどのものであったかということなんですよ。 違法性の認識って言っても、援交で捕まるオッサンの「JKじゃなくて成人してると思った」っていう、一生牢獄にぶち込まれてろこのエロ親父!という認識の差異じゃなくてね。地方から来た人が千代田区で路上喫煙してたら、えっ罰金取られんの?みたいな。 今回の被告人は中国からの留学生。別に生物学に詳しい訳でもなく、輸入したのは中国での知り合いであった共犯者であり被告人は都内で業者に売買したということ。なので、被告人は罪状認否でこう発言します。 >> 被「行った行為自体は間違いないが、犯罪との認識がなかった」 << 今回の被告人が実際どうだったかは知りませんけど、皆さんどの蘭が輸入禁止で販売行為が違法になるかなんて知らないでしょ。もちろん違法性を認識していたという可能性も完全には否定できないんだけどさ。 もともとの知り合いである共犯者から、日本で業者に渡して手数料をもらっていた被告人。売買の連絡はネットを使ってたんですけど、それも普通に家のパソコンで取引をしていましたし、その違法の蘭も隠すでもなく同居人もいる家に普通に置いていたとか。弁護士の主張としたら、もし違法性を認識していたのであれば、業者との連絡も家での取り扱いにももっと気を遣うはずだとのこと。 >> 弁「今回の事件について、行為そのものは認めていますね」 被「こくり(頷いただけ)」 弁「共犯者には、ワシントン条約に触れる可能性があるとの警告があったのは知っていますか?」 被「私は聞いていません」 弁「共犯者から犯罪行為であるとか、これくらいなら大丈夫などとそそのかされたりしたのですか?」 被「特にそういう説明は受けていません。それに真面目な日本の方も何の問題もなく取引に応じていてくれていたので、全く違法とは考えませんでした」 弁「法律違反していると知らなかったと警察で言わなかったのですか?」 被「言いました。しかし、取調の警察官からは そんなの知っとけと言われました」 << うそ〜ん、厳しいよ警察官。俺全く知らなかったよ。 まぁ今回の場合、その行為自体はやってしまってる訳だから非難しない訳にはいかないわけよ。ついでに言うと、被告人は報酬として100万円もらってるからね。そんな蘭の運搬やら販売で100万円もらえるなんて多少怪しんでもいいけど、イコール犯罪として認識できるかって言われたら疑問だもんな。 でも法律ってのはルールですから。 さっきの路上喫煙の例もしかり、車であの標識ってなんだっけなで起きちゃう違反など大なり小なりルールを完全に把握していないことによる問題ってのは割と身の回りに多いはず。 俺の場合、裁判を傍聴していろんなケースで起訴されている被告人を見る度に、もっと法律知っとかなきゃと思ったり、契約の書類なんかもすげぇ細かいところまで見るようになったな。 傍聴してると、そういう身の回りのことも色々と考えさせられることもあるのです。