ワイン7本を空けた酒豪の話

boutyou-works2011-04-30 裁判No.64 事件:準強制わいせつ 概要)酒を飲ませてわいせつな行為をしようとする。 被告人:20代後半の男性 傍聴席:1人 裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。
人は見た目が9割 (新潮新書)

人は見た目が9割 (新潮新書)

「人は見た目が9割」なんて本があるように、悲しいかなルックスの良し悪しによる結果の相違ってあると思います。アナウンサーを筆頭とし、就職活動においても100%関係ないとは言い切れないと思いますよ。ルックスというより清潔感なども含め。 これはルックスがいい人のプラスのポイント。 では、マイナスのポイントとは何か。 それは俺が傍聴してる裁判でイケメンが被告人だと、イケメンへのコンプレックスからより重い罪を望んでしまうことくらいでしょう。 そんなこんなで、いっそのことイケメンってだけで罰金刑という法律はどうかなと思っている「普通」です。 今回もはりきって参りましょう。 >> 被告人は20代後半の男性。イケメン(ピキピキ) 被告人は知り合ったばかりの女性を家に招き、酒を多量に飲ませて泥酔状態にしたうえで衣服を脱がせて身体を触ったり、陰部に手指を挿入などした疑い。 もう一人いた女性が気がついて、行為までは至らず。 << 「強制わいせつ」については、何度か扱ったことあるけど、今回の「準強制わいせつ」罪は初めてかもしれんねぇ。 そんなときは久々に使いましょう「ポケット六法」です、シャキーン(`・ω・´)!! >> 刑法第178条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条(強制わいせつ罪。六月以上十年以下の懲役)の例による。(ポケット六法 有斐閣 平成18年) << 先日、秋葉原コトブキヤで購入したシャキーンぬいぐるみとのコラボでお届けしました。 まぁ反抗、拒絶できる状態でない人に対してわいせつな行為をしたらダメよって法律だな。 最近ちょっと話題になりましたね、この罪名。 なんか起訴されないみたいなんでね、名前は伏せますけど芸能人でいたじゃないですか。まぁマスコミが発表している内容だけでねかなり有罪率高そうですし、被害者が事件となることを望んでないやらで自らを清廉潔白とか言ってる人のことよ。とは言ってもやった行為自体は消えないわけで…。 まぁ僕が言えることは 起訴されなそうでガッカリだよ!! ってこと。ここまでがヒントということで。 今回の裁判に戻りましょうか。 今回の被害者女性は、被告人とは面識なかったんだけどナンパで飲みに誘われたんだってさ、もう一人の友人と。そしたら終電がなくなっちゃって、被告人の家で飲み直そうってことになったらしい。 店で飲んでる最中かららしいんだけど、やたらゲームとか言ってすげぇお酒を飲ませていたらしい。ワインは7、8本は空けたんじゃないかとか言ってるし。そんで女性陣二人は泥酔状態になって今回の犯行へと。まぁもう一人の女性が意識を取り戻したんで未遂で済んだからよかったけど。 でもここまで聞いてさ、正直に言って女性も若干警戒心が薄かったとは言えるんでないかな? もちろん被告人が120%悪いと思いますよ、それは間違いないしそれによって被告人の罪が軽くなることは俺も全く望まない。でも、被害者のほうもなぁ…。 今の被害者の女性も云々ってのは事件の詳細も知らん第三者の俺だから無責任にも言える訳よ。でも、この被告人は警察の取り調べに対して、 >> 被「私も悪かった部分はあるかもしれないが、初対面の男の家に来る女性も警戒心が薄いと言われてもしょうがいないのではないか」 << とかお前が言ってんじゃねぇよ。「悪かった部分」じゃねぇよ、全面的に反省しろ。 ナンパしたのは僕です。飲みに誘ったのも僕です。一人暮らしの性欲ギンギンな男の家に誘ったのも僕です。でも、僕が悪いのはほんの一部です、っておかしいだろ。 この人、恐らく反省はしてないと思うんですよ。だって、今までナンパによって50人近くの女性を家に連れ込んできた経験がある(マジかよ…)とか言ってることや、なんか今回捕まったのは運が悪かったとでも言いたげな感じ。 >> 弁「今回、自分が犯した罪をきちんと認識していますか?」 被「行った行為に関しては、すべて間違いはありません」 弁「どうして、今回そういうことをしてしまったのかな?」 被「ナンパに成功したので、最後までいけると思ったからです」 弁「最後までというのは性行為のことですか?」 被「そうです」 << ここで小休止。 ってか、今回の裁判、被害者が傍聴席にいたらどう思うんだろうなぁ。来ないとわかってたから、こんな細かい質問してるのかもしれないけど。 >> 弁「しかし、お酒を飲み過ぎて寝てしまったと。これはあなたが眠らせるためにわざと飲ませたのですか?」 被「酔わせるつもりはありましたが、眠るとは思いませんでした。」 弁「で、無理やり性行為に及ぼうとしたようですが、起こそうという気はなかったのですか?」 被「寝てても起きても結果は変わらないと思っていたので」 弁「でも、被害者女性はそんなつもりで家に行ったのではないと言っていますよ」 被「直接聞いてはいないし、会った当日だったのでそういう気持ちでなかったということに気付きませんでしたし、家に来た時点でいいのかと思っていました」 << 直接聞いてないのはお前が寝てる相手に変なことしようとしたからだし、会った当日云々ってのについてはじゃあお前気持ち聞く前にそういうことしようとしてんじゃねぇしと思うし。 これ俺がモテない君だから間違った感覚なの?正しいよね? さっきも言ったけど、正直言ってさ今回の件は被害者にも落ち度がないとは言い切れないよ。でもね、それは犯罪行為を助長している訳じゃなくて、犯罪行為自体は自分の責任ですからね。 たまに、車にカギ差しっぱで盗まれちゃう人がいるんだけどさ、この場合も多少は被害者にも責任あるじゃん。でもそれで犯人から「お前がカギを差しっぱにしてんのが悪いだろ!」って言われたら絶対に殴るでしょうよ、そんな奴。それと似てるんじゃなかろか。 実は、そういう約束をしてたとか、誘惑されただなんだってあれば多少審議の余地もあるかもしれんけど、被告人からはそういった話も出なかったから、本当に被告人の自意識に則った行動が今回の件を引き起こしたと言えそうです。 ただ一つ被告人に言いたいのは弁護士と検察官は超絶にヌルかったからキツく言われなかったけど、書記官のおばちゃんはお前のこと殺さんとばかりに睨んでいたことだけは覚えていたほうがいいと思います。