そんな環境なら誰でもがクスリに手を染める

boutyou-works2011-10-25 傍聴No.75 事件:覚せい剤取締法違反 概要)覚せい剤を使っちゃった 被告人:20代後半の女性 傍聴席:3人 裁判の中身が気になる方は「続きを読む」からどうぞ。 上司がさぁよく、「頑張るのは当たり前なんだよ。結果が出ないと意味がないんだよ。」って言うんだよ。 これって全くその通りなんだけどさ、やってる側としては、これこれこういう経緯がありましていかんともし難かったんですわエヘヘ...ってなるときもあるじゃんか。 でも報告受ける側としたら、ホントにそれ全力でやったの?それ以外の手は打てなかったの?と疑いの目を向けたくなるのも事実ですし。 でも一番困るのは、結果が伴わなかった&それに対してやった努力っていうのが何ソレ?と言いたくなるパターン。またこういうパターンに限って、自信満々だったりするから対処に困るんだよね。 仕事中に何ソレ?と言われた際に「いいんです、これで!!」で押し通すことに定評のある「普通」です。 今回もはりきって参りましょう。 今までもさ、再犯重ねた人の言い訳聞いて改善する気無かったろと思うようなことってたくさんある訳よ。 何度も何度も窃盗を繰り返している人が「今度はやるまいと、今回は意思を強く持っていました」とかお金なくて食い逃げを繰り返している人がハローワークに行こうとはしたんです」とかね。ハローワーク行ったけど仕事なくて...じゃなくて、行こうとしたけど行かなかったって普通に言うんだからビックリするわ。 >> 被告人は20代後半の女性。 被告人は自宅にて、覚せい剤10gと気化させて吸入する器具を所有していた疑い。 被告人は同罪状にて、過去2度裁判にかけられています。 << 覚せい剤ってのも、なかなか一度やったら止まらない犯罪の一つだよね。この罪状の場合、再犯したときの言い訳としては >> -病院に行ったんですけどダメでした -前の売人から連絡が来て断わりきれませんでした -不安になるとつい使っちゃうんです << だいたい、この3つの気がする。 でさ、食うもんなくての連続窃盗犯なら、仕事探して安定した収入を...みたいなこと言えばそれなりの解決策になると思うんだけど、クスリの場合は「絶対に止める」っていう方法でしか解決にならないんだよね。だから、本人や家族は相当な強い意識を持って挑んでもらわないと再犯の恐れが高いってのは裁判関係者ならみんなわかってんだよね。 証人は被告人のお母さん。この家族はどのようにして、クスリを止める努力をしたのでしょうか。 >> 弁「被告人が家で覚せい剤を使用していたということなんですが、証人は気付いていましたか?」 証「今思えば、多少おかしいなと思うところはあったんですが、まさか...」 弁「前刑の出所後、どのように監督されたのですか?」 証「一人暮らしをさせていたのですが家に戻しまして、出来るだけ外出も一緒に行くように心がけました」 弁「家では何をしていましたか?」 証「基本的に私と一緒にいるようにして、家事を手伝ってもらっていました」 弁「被告人の部屋には入っていたのですか?」 証「いえ、娘も歳が歳ですので無駄に干渉してはいけないと思いまして...」 << 結果として、その気遣いが裏目に出てしまいましたね。それ以外は、可能な限り目の届く範囲にと考えていたようなだけに実に残念。 裁判官も >> 裁「28歳という被告人の歳を考えると、無駄に干渉しないというのもわかりますが、今後は部屋に勝手に入ってでもおかしなところがないか調べてください。今後も強い意志を持って、被告人と真剣に向き合っていただくことを切に願います」 << と温かいお言葉。証人はありがとうございますと、頭を何度も下げていました。 しかし、いくら証人が頑張ったところで限度があります。当の本人、被告人はどういったことを考えているのでしょうか。 このお母さんなら大丈夫と思ったのでしょうか、弁護士と検察官からは実に当たり障りのない質問が終わった後、裁判長が聞きました >> 裁「あなた前刑の出所後、覚せい剤を止めるためにどのような努力をしましたか?」 << これ、弁護士なりなんなりが聞かなきゃダメだろうが。 まぁそれはさておき、被告人はクスリを止めるためにどのように向き合い、試行錯誤を重ねた上で再犯をするにいたってしまったのでしょうか。 >> 被「私は今度こそ覚せい剤を止めようという強い意識で出所いたしました。そして出所から一月後くらいに、今までとは違うんだという強い意識を持って 覚せい剤の売人の家に一週間泊まり込みました!」 裁「...!?え、何ですかそれは?」 被「例え周りが覚せい剤を使っていようと、私は使わないで過ごすことができれば、絶対に止めることができると思ったからです!」 << そしたら普通聞きますよね >> 裁「え、それでどうなったの?」 << そりゃあそう聞くさ。 そして被告人は答えました。 >> 被「ダメでした...。3日目で、自分の意思の弱さに勝てませんでした」 << あぁ貴方がかの有名な3日坊主さんでしたか、こんちわーっす。 って、ダメでしたじゃねぇよ。わかんだろうが、そんなの。覚せい剤なんて絶対やらないと思う俺だって、一週間も覚せい剤使ってる奴の部屋に泊ってたら意識飛ぶって。 それにしてもお母さん、一週間も外泊させていたんだね。なんか今の被告人の証言のせいで、いろいろと不安になってきちゃったよ。 まぁまだ本気で向き合うつもりもないんだろうなと思っちゃうよね。もし本気で解決しようとしていて、その方法しかないと思ったのならそれはそれで凄いと思うけど。