相馬という町について
いつも裁判所のついでに少し町を見て回ったりしていますが、今回は特別にこの相馬について触れていきたいと思います。
この黄色で書いた海沿いのところに今回訪問した相馬市はあります。
詳しくご覧いただける方は続きを読むからどうぞ。
最近、改めてニュースになったので記憶を思い起こした方も多いことでしょう。
4年前の3月11日、宮城県仙台市の東方沖70kmの太平洋の海底を震源とする規模の大きな地震が発生しました。これに伴い、巨大な津波、建築物の崩壊、地盤沈下など甚大な被害が起き、それらを総称し東日本大震災と呼び、今も私たちの頭の中に強く刻まれています。
大きな津波とともに話題となったのが、福島県双葉郡に立地する東京電力福島第一原子力発電所の電源喪失に伴う、メルトダウンの発生。大量の放射性物質の漏洩を伴う事故に発展し、周辺住民の避難と同時に立ち入りが禁止されました。
現地の方はいまだ被災されている方も多いとは思いますが、東京の方では計画停電なども少し落ち着き色々なところに目を向ける余裕が出来たときに私ふと思いました。
「相馬の裁判所ってどうなっているんだ?」
福島第一原子力発電所から相馬市は直線距離にして約40km強。避難指示区域には指定されていないことは分かったのですが、実際現地の状況や交通状況とかどうなっているかわからない。かと言って、さすがにこのために足を運ぶというのはもう少し時間が経ってからがいいのではということで先伸ばしにしてきたという経緯がありました。
しかし、もうさすがにそろそろ行ってみるかということで、思い立ったが吉日、2月だというのに東北地方に馳せ参じた訳であります。
大阪からこの相馬を目指す場合、まず向かうのは仙台空港。
相馬市から西に県庁所在地の福島市がありますが、そこからは横に移動する手段がないので、仙台までとりあえず飛んで下る形が一番楽とのこと。
そんな訳で着きました、仙台空港。仙台には観光で一度行ったことがあるのと、このブログで東北本線の乗り潰しのときに仙台を乗換駅として使ったことがあるくらい。空港を使うのは初めてです。
空港に着陸する前にCAさんが現地の天気情報など言ってくれますが、気温がマイナス1℃と聞いて機内がざわついたのを覚えています。そこでようやく2月に東北行きを決意した自分の愚かさを呪いました。
非常にお洒落なお土産屋なども目を引いたのですが、なにより驚いたのが
普通に米売ってました。裁判所もある登米という場所のササニシキとひとめぼれ。米を土産にってのはなかなか珍しいですけど、小分けにされているし意外と面白いアイデアかも。でもこんな少量どうやって炊くんだ?
仙台空港からは電車に乗っていきます。空港から直結の駅があります。
空港はこんな感じです。中も非常に綺麗でいい空港なんじゃないですか。
空港から駅は上でつながっているんですが、空港の写真を撮りに降りたのでもう一度エスカレータで上に。その時、
4〜5段上がったとこあたりですかね、津波浸水の表示が。これはちょっと衝撃でしたね。高さわかりにくいんで申し訳ないですけど、普通乗用車よりは高い位置にありました。この地以外の人にとってはこういう表記こそもっと多くの場所で示して、震災の厳しさをと思うのでしょうけど、地元の人にとっては思い出したくない過去でしょうからね。表現はこれくらいが適切なのかな。
僕も大好きサンドウィッチマン。東北出身ということで、彼らが震災後大きな声を上げて復興に努めていたのは記憶に強いですよね。
ようやく切符売り場に着いたのですが、
そこで、今でもいくつかの区間で電車の運転見合わせ区間があることを知ることができます。実はこれから向かう相馬もこちら仙台空港側からだと電車で行くことが出来ない区間なのです。
分かりにくいですが、東京の上野からどんどん北上していく緑で書いたJR常磐線。しかし竜田駅〜原ノ町駅間と相馬駅〜浜吉田駅間は現在も運転見合わせ区間です。
それでは相馬へはどうやって行くかというと、JRが運営している代替バスに乗っていきます。バスを含め、相馬までの乗車賃はこの駅で購入することができます。
なのでとりあえず電車に乗って途中駅までレッツゴー!
10分強乗ったら「名取」駅で乗り換え。常磐線に乗り換えるのですが、時間が結構あったので駅員さんに頼んで改札外に出させていただくことに。
高専の全国ラグビー大会で2連覇。全国大会出場回数じゃなくて優勝が12回目とか、バスケの能代といい(該当ページへ)、結構強豪校との差が明確に表れるスポーツもあるもんなんですね。
横綱・白鵬がここ宮城の温泉の広告に。もちろん出身地じゃないでしょうし、現役の力士にどうお願いしたら出てくれることになったのか気になります。それにしてもこの白鵬ノリノリである。
そしてこれが改札外に出たいと思った大きなきっかけ。SAPPOROの工場にビール園。
割と僕、黒ラベル好きな人なんですよね。一番搾りと黒ラベルの2強。もちろん時間なんてないので、中がどんな感じかわかりませんでしたが、きっと夜などは盛り上がるんでしょうね。
駅もしっかりしていますし、仙台に転勤になったらこりゃ名取で部屋探しだな。隣の駅は大きなイオンと直結だったし、仙台も近いみたいだしこれは迷うポイントもなさそうだ。
裁判所の撮影も近畿、東海、中四国(1軒除く)と終わらせちゃってるから、次住むとしたら九州か東北だよなぁ。こんなん会社の人に聞かせられないけど。こんなん言ってるの知られたら一番移動がしにくい長野の飯田とかに転勤させられるわ。
いい時間になったので駅に戻って常磐線に乗車。4駅ほどで
亘理駅に到着。ここでバスに乗り換えます。電車自体は次の浜吉田駅まで行きますが、浜吉田駅だとバス乗り換えが非常に不便とのことで、この亘理駅がバスの始発駅となっているそうです。
バスの乗り換えする人含め、降車する人は多数。
ここでバスに乗り換えるのですが、ちょっと気になるものが見えたので寄り道。
駅直結で天守閣風の建物「悠里館」が。大沢悠里の出身地なのでしょうか。...誰かわかんねぇのかよTBSの超長寿番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」っていう平日4時間半もやってる神番組をよぉ!今、俺すっげぇ似てるモノマネしているのに誰にも伝わんねぇんだろうなぁ...。
中は図書館と資料館でした。
バスに乗り換えます。大沢悠里のモノマネしていたらバスに乗り遅れたなんてアホなことは出来ません。JRの代行バスですので、亘理駅に到着するバスに併せて運行が予定されています。
バスの中は7割方埋まっており、このバスの必要性を感じることができます。
乗車時間は約1時間。バスは、電車の運行が止まっている区間の駅に近いところにのみ停まっていきます。
ぼんやり外を眺めていて、写真を撮らなかったことを本当に後悔しているのですが、窓の外はホント平坦で、トラックばかり停まっているんですよ。なんの気なしに見ていましたけど、恐らく建物を再興しようというトラックがたくさん停まっていたんだろうなと思います。だいぶ復旧したところを感じることもできますが、JRの路線含めいまだ完全なる復旧には遠いんだなと感じます。
ちなみに現在不通となっている浜吉田駅〜相馬駅間ですが、2017年春を目標に運行再開を目指しているそうです。特に津波の被害が大きかった地域だそうでして、路線の一部を市街地に移す計画をしているそうです。
と、そうこうしているうちに相馬駅に到着です。裁判所の道案内のときは触れませんでしたが、
駅名標の右側にシールが貼られています。ここは現在不通区間なんですね。少しでも早くこれが剥がされることを心待ちにしております。
最後に少し相馬の町を歩いた話でもしましょうか。
先ほどの記事では駅前の中華屋に入れなかったことを嘆きましたが、実際に入ったのは駅出て目の前に見える「そば処ふくしまや」。クチコミの評価も良かったので。
ここでは天ぷらそばを注文。前もどこかで言った気がするんだけど、天ぷらの良さってのは歳をとるごとにわかってくるよね、特に山菜系とかの。割と時間がなかったのでひょいひょい食べてしまいましたが、非常に美味しかったです。店の雰囲気も非常に落ち着いていい感じで、はやっているのが分かります。ごちそうさまでした。
裁判所の近くにあった中村城下の神社への案内。
中村城周辺には、北野天満宮、相馬中村神社、相馬神社とあり、それぞれでいつも通りこの企画の成功とプライベートのお願いをしっかりとしてきました。体験乗馬が可能とのことだったのですが、
池もカチンコチンになっている天候状態だからなのか、馬の姿を見ることはできませんでした。
もう少しだけ町を歩きます。
Yamazakiブランドの自販機って初めて見たかも。半分くらいは見たことない商品です。
特にこれが気になる。美味そうじゃねぇか。
最後に見つけたお菓子屋さんに掲げられた「バター最中」の広告。
パッと見で「うわっ、重そ…」と思ったのは30歳になったからだよね。昔だったら、六花亭のバターサンドを1日5個食っても大丈夫とかだったのに、食の好みというのは歳をとるごとに変わっていきます。
とまぁそんな相馬までの道のりと相馬周辺の簡単な紹介でした。
実際に復興が進んでいるところなども多いとは思いますが、電車が動いていない地域が多々あったりと、まだ目を向けるべき場所は多いと思います。時が経つにつれニュースでも関心事として薄れてきてしまうのも事実。
私自身は東北地区とは縁もゆかりもございません。ただ、日本全国の町を見て周っている身としては他の町に比べての不自由さなどは比較的客観的に見ることができると思っております。
是非、皆さまこの地域に引き続きの温かい目とご関心をお持ちいただければと思います。
そして1日でも早く、1人でも多くの方が今までの生活に戻ることができるよう心より願っております。