番外編5件目 上県家裁 〜ラスク売の少女〜
僕の彼女を紹介します。
僕の彼女は、日本の平和のために誤って罪を犯した人に判決を下しました。
その名前は、上県家裁。長崎家庭裁判所上県出張所。
というわけで、僕の彼女を紹介します。
改め、
上県家裁を紹介します。
裁判所のHPによると、上県家裁へは「対馬交通バス佐須奈バス停から徒歩5分」とのこと。
というわけで、佐須奈バス停からスタート。
全国の裁判所データベースを作成中。ご覧になっていただける方は「僕の彼女たちを紹介します」(該当ページへ)からどうぞ。
佐須奈バス停からスタート!!って言っておいてスタートしないのが、このブログなのさ。
導入編で書いた通り、フェリーで移動中。
なんとか仮眠程度には寝れたんだけど、すげぇ揺れるしで2時くらいにいったん目覚める。売店の類は無いので買っておいたラスクをポリポリ。
デッキの方に出てみると、
2等室の雑魚寝スペースを確保できなかった方々が、デッキで海風に吹かれながら毛布にくるまっていました。まだ9月とかの撮影とかだったから良かったけど、年末の帰省時とかは外で寝るのは無理だろうから、壮絶なスペース争いが繰り広げられるんだろうな。
海を撮ろうにもホント真っ暗。もちろん見張りの方なんているはずもないので、そっと背中なんか押された日にゃ、乗船時と下船時で人の数が合わない事件の出来上がりで、数え間違いということで処理されることなのでしょう。
4時過ぎになり、船内アナウンスなども流れ徐々に人も起き始めました。
そして予定通りの時刻に比田勝港に入港。しかし4時20分に知らない港に下ろされたところで困ります。僕の次の予定は2時間先の6時35分のバスに乗ることなので。
しかし、旅マスターの私は調査済み。僕みたいに朝まで足がない人のために、しばらく船内を休憩スペースとして利用できるのです。チケットを確認しに来た船員さんに「船内に残ります(キリッ」と前日から用意していたセリフをさも当たり前のように言うと、予想外の答えが...
船員「その場合、7時まで船から出れませんが、よろしいですか?」
入口に常時人を置けるほど余裕もないし、逆にそこをフリーにしてしまうと誰が入ってくるかわかったもんじゃないということで7時まで入口を封鎖してしまうとのこと。これは予想外、6時半のバスに乗らなきゃいけんので、旅マスターなどと名乗っていた数行前のことなど忘れ、すたこらさっさと下船。
お世話になったフェリー。結構大きな船なんですけど、乗客が動き回れる範囲は割と少なめでした。
さて宛もなく下船した僕でしたが、心配は杞憂に。
船の目の前にあるフェリーの待合室が解放されていたので、そこで朝を待つことに。中は綺麗なので数時間待つくらいならそんなに苦にならないのではないでしょうか。僕のほかにも4、5人いました。
待合室に貼ってあったポスター。こんな絶景あるのか。奥の人の荷物が落ちそうでとても見てられない。
博多で行われていたという魚フェス。この辺りの人は買い物とか遊びに行くとなると、対馬の中心部行くより6時間のフェリーを乗ることを選択するのかもしれないね。
テロリストの爆弾テロを防ごうというポスター。まぁその防災意識を否定しちゃいかんけど、多分いないんじゃないかな...。でも、裁判所テロリストは実際表れた訳だし、予防しておくことにこしたことはないか...。
対馬に棲息するツシマヤマネコに関して。なんか聞いたことあるなと思ったけど、あれはイリオモテヤマネコか。日本にはこの対馬にしかいなくて、あとはモンゴル、中国大陸北部、東シベリア等々にしかいないんだと。日本国内に分布するネコ類ってのは、イエネコ、イリオモテヤマネコ、そしてツシマヤマネコの3種しかいないらしく、その意味でも非常に貴重な猫の種類らしいんだけど、イリオモテヤマネコ同様絶滅が危惧されているらしい。
少しずつ陽が出てきました。まだ時間はあるので、周りに人がいないのを確認してラジオ体操をしてみたり。この歳になって、小さい時は普通にやっていた体操の大切さを知ったりもする。
乗客を中に閉じ込めたフェリーがいまだ停泊中。恐らく中では凄惨な事件が起こっていて、
「ダメです、外への連絡手段は全て壊されています」
「次に助けが来るのは?」
「朝7時にゲートがオープンされないことには」
「そんな、殺人鬼がいる船で朝7時まで一緒にいるなんて、私耐えられない!!」
「…はじめちゃん」
「どうやら犯人に閉じ込められちまったようだな。犯人は必ず俺が暴いてみせる。金田一耕助(じっちゃん)の名にかけて!」
という会話が繰り広げられていることでしょう。まぁこの場合、デッキに出て外でラジオ体操やってる不審者に声をかけりゃ万事解決だがな。
「マト」。的に「マト」って書かれているの始めて見た。このブログにもどっかわかりやすく「ブログ」って書いておこうかな。
朝なので漁に出る船があったり、帰ってくる船があったり。海の男たちは朝が早くて大変です。
韓国の方も多いことがよくわかります、看板の注意書きが日本語とハングルで両方書かれています。どうせなら「STOP」も「やめて」とか日本語にすりゃいいのに。
いろいろ楽しく散策していたが、ふと普通さんようやく気付く。
これから乗るバス停は比田勝バス停だけど、比田勝港ターミナル付近にはそんなバス停はない。どこだ!?
散歩していたオバさんを発見し、さっそくバス停の場所を聞いてみると、
>>
親切な淑女「比田勝バス停はここじゃないわよ。あー行って、こー行って(ちゃんと説明してくれました)、普通に歩いたら15分はかかると思うから急がなきゃ」
<<
オバ様に礼を言うのと同時にダッシュΣΣ≡≡≡ー(ー・ω・)ー。なんのために朝4時着のフェリーに乗ったんだ。
比田勝港ターミナルをフェリー乗り場とは逆の出口から出て、右に真っ直ぐ進みます。
頭の中ではずっとこの曲が流れてたよ。
(゚ω。)ヒーヒー
恐らく対岸に見えるのが、比田勝港の国際ターミナルだと思います。って、そんな説明している場合じゃない。
(。ω゚)朝だし元気も出ない...
橋を渡って、信号にぶつかったら左に曲がります。
(;゚ω。)ゼーゼー。でもこんなピンチのドキドキ感嫌じゃないかも///
こんなとこにもエディオンがあるんだな、素直に驚きだ。
(;。ω゚)ヒー、誰かこのカメラ向ける好奇心をトメテ〜
……
……
まぁなんやかんやで
比田勝バスターミナルに到着しました。こんな写真しかないのは本当に時間ギリギリだったからなんです。比較的商店は続くんですが、バス停らしきものがなく途方に暮れていたのですが急遽左側にバスターミナルが表れます。焦らず歩いていたら普通に見つかるとは思います。「厳原」または「志多留」方面のバスに乗ってください。
結局走ったのは約1.3kmの距離を10分弱。学生時代の数字と比べちゃうともちろん物足りないじゃすまないけど、見知らぬ道ってのと、2泊の荷物を持って、しかも合間にカメラを構えてと考えるとまぁまぁなタイムだったのではと思ってるんですけどね。
バスの乗車時間は15分程度なのですが、バスの運転手さんに1,000円の1日乗車券を勧められました。まぁこの後もバスにお世話になるしラッキーと思ってたら
15分ほどの乗車で610円もかかりやがる。この距離往復するだけでも、1日乗車券の元とれるのかよ。
ちなみにバス内のアナウンスでは普通にハングルでのアナウンスがあります。その時乗ってる人は全員日本人だったと思いますが、普段は本当に多いんでしょうね。
という訳で着きましたのは佐須奈バス停でございます。次のバスが2時間後だったので本当に乗れてよかったです。ちなみに行き先の「厳原」というのは島の南のフェリー乗り場。比田勝が島の北のフェリー乗り場ですので、ほぼ島を縦断するバスなのですね。バス停もハングルで書かれていることにはもう触れてあげないんだから。
バスの進行方向と同じ、佐須奈郵便局が右手にある向きでスタートします。
歩いてすぐ気になったのは、
こちら。2階はお宅のようですが、1階はなにかお店のようです。近くに寄ってみると、
メダカの販売を始めた!?2015年に!?
そりゃ子どもたちに生態系を学んでもらいたいし重要だと思うけど、果たして子どもは食いつくのだろうか。フェリーの中でも子どもたちは携帯ゲームに夢中だったみたいだし。このお店の財源が気になって仕方ない。
このメダカ屋の反対側には
「よっていかんねぇ」という看板と店前には日替わりで変わるメニューの張り紙が。ケーキ出す日があると思いきや、お寿司、カレー、赤飯と本当に日替わり。この店も凄く気になる。
しばらく進んでいくと、「やまねこ楽市場」と書かれたスペースとツシマヤマネコが出迎えてくれる公衆トイレ。意外と凝っている町じゃないか、人が起き出す時間じゃないときに散策しているのがすごくもったいない。
警察署やらが建っている交差点を左に曲がります。曲がった先にそば道場というのがあります。水も綺麗だろうし、そばもさぞ美味かろう。
交差点のところは警察署やらいろいろ建っているんだけど、その一つに
「国境離島新法制定へ!!」と。僕は不勉強ながら聞いたことない法律ですけど、この島に住む人にとっては重要な法律なんだろうね。もう気力無いから調べないけど。
床のタイルにツシマヤマネコ。もうゆるキャラ作っちゃえよ、さっきのメダカ屋とコラボしてさ。
食品館NOWなう。言いたかっただけです、はい。
交差点過ぎてから、3分くらいでしょうか、左側に目的地が見えてきます。
到着〜!!
所要時間はバスで15分、そこから徒歩で5分ってとこかな。バス停降りて最初に歩く方向さえ間違えなきゃ大丈夫っす。
地図で表すとこんな感じ。写真をクリックしていただくともう少し大きく表示されます。
もう疲れたから締め。
ツシマヤマネコの生息地であるこの地は、海外の方も多く訪れるとは思えないほどのんびりした場所でありながら、その土地ならではを感じさせてくれる、そんな対馬市の上県地裁
お薦めです!
ちょっと足を伸ばせばいろいろ面白そうなものがあるのは調べていたのですが、次のバスが2時間後ってのが時間があるようで微妙になかったので、次の地裁へ向かうためのバスのルートを時間の許す限り歩いてみることにしました。
しかし、そのときはまだ気づかなかったのです、その背後に忍び寄る影を。
ズズズ…。
怖いわ、このポスター。という訳で次回に続きます。
〔厳原地裁編へ〕