水沢散策パート
当たり前のように水沢、水沢言っていますが、そもそもどうしてそこに行くことにしたのか、いったいどういう場所だったのかということについてこの記事で紹介していきたいと思います。
今回の訪問は5月3日とゴールデンウィークの初日でした。GWはだいたいの場所が混んでますので、その時期にあえてどこかに行くというのは避けていたんですが、ブログのネタが完全に切れていたため行かざるを得ないことに。
とは言え、家裁、簡裁を除いて残っている地域が、北海道6、東北4、中国(離島)1、九州(離島1含め)3という状態。どこかに行こうかと決意したのが、3月下旬だったのですが、その時点で飛行機はどこも売り切れか、とても考えられない値段に跳ね上がっていました。
その時点で北海道と中国は断念。中国地区で唯一残っている隠岐の島は特急列車とフェリーで行けないこともなかったのですが、島に宿が残っていなく断念。
最後まで行く手段を検討し続けたのは九州(長崎)だったのですが、長崎だけなら新幹線と特急使えばいけるのですが、こちらも1軒残されている離島へのアクセスや宿選びに難儀し、断念。
そこで今回選ばれたのが、東北地区となった訳です。
仙台地裁はラストの撮影地と決めているので、残されたのは岩手県の水沢地裁、一関地裁、そして宮城県の気仙沼地裁の3軒。1泊2日の行程ですが、家裁・簡裁の撮影もなくこの3軒で精一杯でした。その理由の一つとして、
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新大阪(08:03出発)→(10:33到着)東京
東京(10:44出発)→(12:38到着)一ノ関
一ノ関(12:58出発)水沢江刺(13:08到着)
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わかってはいたけど、とにかく到着に時間がかかった...。8時出発は、まぁ早いかなくらいだけどそこから5時間乗車はさすがに疲れました。一応全列車指定席を取れたので楽は楽だったのですが、自由席はやはり相当混んでいたようです。
東京駅だと始発ですから、何本か電車をやり過ごす体力さえあれば座ることができると考えた人が多かったんでしょうね。ホームに人が溢れてしまったようでして、新大阪からの電車の中で東京に着く直前に、
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車掌「ただいま、東京駅のホームが大変混雑しておりますため、自由席付近のホームに降りることはできません。自由席のお客様も指定席車両の方に移動していただき下車をしてください」
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とかいうアナウンスが流れる始末でした。
まぁ座ってるだけなんで、ダメージは主にお尻だけで「水沢江刺」駅に到着することができました。
腐女子の人ならこれでも妄想が出来そうな新幹線車両の広告。デザイナーに発注してこれが納品されたらぶん殴りたくなります。
ここ奥州市では、鹿踊り(ししおどり)という民俗芸能が伝わっていて、黒い長髪に本物の鹿の角を立てて、太鼓をたたき踊るというものだそうです。なんか宮城と岩手の間でいろいろ流派があるみたいで、この辺りは踊り手が演奏を行わない「幕踊系」を採用しているらしい。ちなみに、メキシコやタイ、インドなどの一部地域でもこの鹿踊りに似た伝統的な踊りがあったりもするらしい。
改札を出ます。
かなり古いものと一目でわかりますが、「炎立つ」という作品のロケ地だったようです。「炎」と書いて「ほむら」と読むみたいです、ほむほむ。
「炎立つ」は1993年7月から1994年3月に放送されたNHK大河ドラマだそうで、奥州藤原氏の平安時代から鎌倉時代に滅亡までを描いた作品とのこと。主演はナベケン、野村宏伸、鈴木京香、ほか。この作品の中でも、鹿踊りの映像も流れていたんだと。
駅前はこんな感じ。割と閑散としています。
ふるさと納税って興味あるんですけどね、なかなか手を出せずにいます。お米とか前沢牛とかは料理しないんでいらないですけど、南部鉄器で作られた風鈴は少し欲しいかも。
駅舎はヨーロッパの家みたいな牧歌的な雰囲気を感じさせる珍しいタイプ。
東北新幹線開通時はこの水沢江刺駅は未設置だったそうなのですが、住民運動等請願の末に出来た駅とのこと。その熱意は素晴らしいと思います。素晴らしいとは思うのですが、
だったら頼むから水沢駅方面へのバスの本数増やしてくんねぇかな...。
ここ水沢江刺駅と裁判所の最寄りとして使ったJR東北本線「水沢」駅は、約4km離れていますので徒歩での乗り換えには不向き。そりゃあこの辺の人はみんな車を持っているでしょうが、もうちょい観光客と裁判所マニアのことを考慮に入れていただけると幸いです。
そんで、新幹線到着から1分後にバスが発車するというJR、バス会社、タクシー会社のタッグプレーによりバスには乗れずタクシーを使う羽目に。新幹線で水沢江刺まで来る数万円は必要経費としてなんとも思いませんが、この水沢江刺駅から水沢駅までのタクシー代1,600円は高く感じる。
ただ、タクシーを使ってよかったと思うこともありました。それはお昼ご飯のお薦めを聞けること。1,600円も払ってるんだから、それくらいの情報代込と考えたいところ。
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俺「すみません、僕水沢の町、初めてでして、駅周辺でお昼食べるのにお薦めのところがあったら教えてもらえないでしょうか」
運ちゃん「お昼って言ってもいろいろあるよ。何食べたいの?」
俺「(やべっ、単に腹減ってるだけで何食べたいとか無い)...それじゃ、肉ですかね」
運ちゃん「肉かぁ...、あんま肉って食べられるとこないんだよなぁ」
俺「(肉って割とメジャーの希望の部類だろ。だったら、最初から選択肢を提示して欲しかった...)」
運ちゃん「まぁ、あそこでいいか。あそこならなんでもあるし。」
俺「(なんでもあるって、ファミレス連れてかれるんじゃないだろうな…)はい、お願いします」
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そんなやりとりを経て紹介いただいたのが、
こちら「千成」さん。駅の真ん前にあります。ディスプレイを見ていると、海鮮系なども押しつつ、お肉や麺などもある定食屋さんのよう。結構広いし、地元の人が紹介してくれたのですから大丈夫だろうと思い入店。ただ入店してから、先ほど運ちゃんにも言った通り、お腹が空いているだけでこれといって食べたいものもないと困っていたところ、
昼限定のびっくり弁当というのを発見。他の海鮮系御膳などが1,500円を超えている中、880円と十分いける範囲。中身は秘密というのが気になりますが、話のネタにはなるだろうとこれに決定。
そして待つこと数分、目の前に運ばれてきたのは...。
デカっwww秘密にすべきは中身なんじゃなくて、その量なのでは?と思いつつ、今日の夜は海沿いの町で海鮮をいただきたいと思っていたのに参ったなぁと思いつつ蓋を開けると、
丼が大きいだけで、上げ底になっている普通のバリエーション豊かな定食でした。まぁこの見た目だけでも十分良かったのですが、この定食が美味しかったからまた驚きなんだ。お腹空いていたのはあるだろうけど、カツも鮭も非常に美味しく大満足でした。水沢にお越しの際はお薦めです!!
腹ごしらえも済んで、裁判所の撮影については本編をご覧いただければと思うのですが、駅前や道中で結構気になったのが、
この「ILC(国際リニアコライダー)を東北に」という幟。不勉強ながらなんのことかさっぱり分かりません。
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国際リニアコライダー(ILC)とは、電子とその反粒子である陽電子を超高エネルギーで正面衝突させ、宇宙の始まりから1兆分の1秒後の状態を人為的に再現しようとするものです。このことにより、宇宙の真空の本質、時空の構造、そして質量の起源を解き明かし、宇宙創成の謎にせまることを目的としています。
「宮城県 国際リニアコライダー(ILC)の東北誘致について」より
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なるほど、わからん。
僕ね、理科とか科学の成績がほんと悪いんですよ。いくら勉強しても全然成績が伸びなくて高校の志望を1〜2ランク落とさなくちゃいけなくなっちゃって、理科の女先生に「私のせいでごめんね」と泣かれたことがあるくらい。きっと、このILCの研究施設などに見学に行ってレポート出せと言われても「なんか、すごいことをやっていることはよくわかりました」くらいしか書けなそう。まぁとにかく、そんな町ということです。
最初に歩いた商店街では珍しい祭り用品のお店がありました。鹿踊りなど伝統的な踊りがある土地柄ですから、祭りなども活発な町なのでしょう。
まさしくお邪魔していた日程は、お祭りの日。夜には、「いつもここから」や森口博子なども来ていたようです。こういう渋い人選って誰が候補出すのか不思議。クールポコなら見てみたいな。怖いもの見たさで。
最初の商店街を過ぎて、メイプルの角を右に曲がった先にある商店街はなかなか僕の心を揺さぶるところでした。
服屋を柄の店というのは初めて見ましたし、今の子が興味を持つものをどれほど置いてるか不明な外観のおもちゃ屋、何もかもが謎の「チャレンジショップ」と書かれた店、そして僕も名前くらいしか知らない「常磐ハワイアンセンター」協賛(?)の炭の看板。
「常磐ハワイアンセンター」といえば、南海キャンディーズのしずちゃんが出演したことでも話題になった映画「フラガール」の舞台として有名。ちなみに今は「スパリゾートハワイアンズ」というそうです。Wikipediaの該当記事を見ていると、この施設に非常に興味と、何故「炭」の広告に名前が出ているのかがわかります。お暇な方はこちらも是非。
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「スパリゾートハワイアンズ」のWikipediaページへ
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映画「フラガール」の評判もよかったし、改めて探してみようかな。
この通りを抜けて裁判所に向けて曲がる交差点の先に気になる看板がありました。
「胆江日日」と書かれた看板です。はっきり言っていい?ちょっと危ねぇ中華系のよくわからん企業なのか、これまたよくわからん宗教かなにかと思ったのね、ホントごめんなさい。でも、近づいてみたら、
胆江日日(たんこうにちにち)新聞という新聞社の建物だった。大学時代、マスコミ関連のことを少しかじっていた身としてとても恥ずかしい。
この奥州市や胆沢郡(いさわぐん)金ケ崎町辺りの胆江地方をカバーしている1946年創刊の発行約2万部の新聞だそうです。うん、まぁそりゃ知らないよね。
最後に、この町を歩いているとちょいちょい見かける「後藤新平記念館」というのを探すことに。裁判所と同じ通りにあった、
この後藤伯記念公民館を最初記念館だと思いったものの、後で公民館と知り「ちぇっ」と思ったものの、今調べていたらこの公民館というのは日本で初めて建てられた公民館らしい。
どうしてここに?と思うでしょうが、調べてみたらなかなか奥深い。みなさんも是非調べてみてと言いたいけど、どうせ調べないだろうから雑に説明すると、
「読売新聞創設者の正力松太郎が後藤新平に創設資金を無心しにきた。その資金を後藤は自らの家を担保にして生み出した金であり、それを後藤没後に知った正力はその恩に報うべく、後藤生誕の地である水沢に公民館を建設した」らしい。
例によって今調べて知ったので、その場で知っていたらまた見る目も変わったのでしょうが、それはいつものこと。
後藤新平記念館を公民館の裏に見つけたのですが、入館料の数百円を惜しんで結局中には入りませんでしたとさ。
そんな訳で、鉄器、鹿踊りなど昔からの伝統を活かしながら、派手さはないものの駅前に見るものを多く残している奥州市の奥州市の水沢地裁
お薦めです!
やっぱ長くなったけど、雑談パートに分けた方が思いっきり話せるからいいな。しばらくは、雑談が長引きそうな回はこの手でいくとしようか。
〔一関地裁編へ〕