番外編10件目 東近江簡裁 〜裁家 -サバキガ- 〜
僕の彼女を紹介します。
僕の彼女は、日本の平和のために誤って罪を犯した人に判決を下しました。
その名前は、東近江簡裁。東近江簡易裁判所。
というわけで、僕の彼女を紹介します。
改め、
東近江簡裁を紹介します。
裁判所のHPによると、東近江簡裁へは「近江鉄道八日市駅東方向徒歩15分」とのこと。
というわけで、近江鉄道各線「八日市」駅からスタート。
全国の裁判所データベースを作成中。ご覧になっていただける方は「僕の彼女たちを紹介します」(該当ページへ)からどうぞ。
そりゃあ僕だって20代の体力あり余ってる時期は、ゴールデンウィークだ!どっか遠くへ遊びに行こう!うぇーい!なんてやっていました。毎日、両脇に美女を据え、オープンカーで湘南の風を感じながら、大音量で「かくしん的☆めたまるふぉ〜ぜ」をかけると。
それが今となっては、休日に疲れてその後の仕事に支障が出たら困るなんていうマイナス思考。どうせ宿も高いし、人も多いだろうしで、連休に人気がある場所へ行くなんてことはかなり減りました。夏場に北海道なんてもってのほかです。
そんな訳で、と言ったらこれから行く場所に失礼ですが、今年のゴールデンウィークに向かったのは滋賀の簡易裁判所巡り。もう地方裁判所で残ってる場所は遠いからさ、ゴールデンウィークに行こうとすると飛行機代もバカにならんので、近くて適度に休日感ある場所を選びました。
そんなこんなで着いたのは八日市駅。大阪から1時間半程度で着くお手軽スポットです。
高校野球好きにとっては、今年の選抜高校野球でベスト8になった滋賀学園高校の最寄駅ということで多少関心は持てるでしょうが、そうでない方にとっては場所も知らない方が多数だと思います。
八日市という名前だけならなんとなく聞いたことあったのですが、簡裁の名前にもなっている東近江という地名は初めて聞きました。んで、よくよく調べてみたら2005年に八日市市やら1市4町が合併して新しく誕生した市とのことでした。
そういう経緯もあり、これから向かう東近江簡易裁判所も2005年までは八日市簡易裁判所という名前だったんだとか。トリビアの泉より使われない無駄知識のお披露目にご清聴いただきましてありがとうございます。
では、駅を出るとします。改札は安心の有人改札。
まずは近江鉄道のマスコット「駅長がちゃこん」がお出迎え。キツネだから「こん」は分かるにしても、「がちゃ」の由来がわからない。課金厨なのか?とりあえず、名前で検索したら近江鉄道のHPにあたり、この「がちゃこん」のPC壁紙を配布していました。意外と力入れているじゃんと思ったんだけど、
うん、あんまいらんかな。と思ったら由来はどうでもよくなっちゃいました。
もう少し駅内を探索。
もう終わっていますが、鯉の凧展というのをやっていた模様。世界凧博物館なんてあるんですね。こちらは、先ほどのキツネと違って調べたら面白かったので、皆様もよければ検索してみてください。
公衆ファックス?公衆電話すら知らないガキンチョが増えてきていると聞くけど、公衆ファックスってのはワシでも初めて見たぞい。故障中ってなってますけど、多分直されることはないんだろうなぁ...。
駅から出ました。お店なんかの建物もそれなりにあるんだけど、地方の中心駅感が存分に表れている駅前風景。なんの変哲もないと思っていたら、
駅舎には額田王と中大兄皇子を描いた壁画が。額田王は近江に関係の深い歌を多く残しており、彼女(額田王)を巡る中大兄皇子と大海人皇子(天武)の兄弟の恋のさや当てが、かの有名な672年の壬申の乱を引き起こしたと一説には言われているんだとか。はい、ここで大学受験は日本史だった普通氏、額田王を男だと思っていたことをここに告白します。受験時は覚えていたかもしれんけど...。
駅舎そのものもお洒落な感じで、第一回近畿の駅百選に選定されているんだってさ。
裁判所へ向かいます。駅を出て真っ直ぐ進みます。
駅前の案内板には、腐女子や淫夢厨ホイホイなこんな祭りの紹介がありますが、根本から方角が違うので釣られないように。
歩き始めて早々に近江牛を看板に掲げる肉屋さんが。確かに近江といえば、近江牛ですね。三大和牛の1つとされ、日本での肉用牛としての史実が最も長い和牛だそうです。食べたことある人には絶賛されている印象はあるんだけど、いまいち広まっていない気がするのはどうしてなんだろう...。いつか私も食べてみたいです。
アルプラザという滋賀や北陸に多い買物施設が。中に入ってみたのですが、この日はアンパンマンショーが2度ほど予定されていました。少し見たかった。
少し進んだ先には、お洒落な洋菓子屋さんが。駅にしてもこのお店にしてもちょいちょい手がかかっていて、それでいて大衆的なお店もありますので、普通に住んでいる分には不自由なく暮らせそうです。住んでいる時は地元を卑下したくなりますが、十分な町だと思います。同じ電車で、この街をボロクソに言ってるJKがいたので、つい心の中でそう思ったのです。
まさか滋賀県で中日新聞に拝めるとは。そりゃあ滋賀県は近畿の東端だし、米原辺りなら大阪行くより名古屋の方が近いけど、それでも少し違和感があります。
県立八日市高等学校。中庭がなかなかに立派です。僕の出身高校は、所属していた男子バレーボール部が廃部になって以来、全く興味がなくなってしまいました。
何を笑っとんねん、お前のフンだぞ。
10分近く歩いてきました。しばらく、ぼ〜っと歩いていると、
右前方に西友が見えてきます。そこでぶつかる交差点が、
法務局前交差点となりますので、その名の通り法務局を通り過ぎますと左手に見えてきます。
到着〜!!
所要時間は10分強といったところでしょうか。
地図で表すとこんな感じ。真っ直ぐなんで迷いようがないと思います。
ん?迷いようがない...迷いようがない、迷いようがない、迷いようが...
迷家 -マヨイガ-!それ、(ドタバタドタバタ)
これ!迷家 -マヨイガ-!
...すみません、今更ながらゴー☆ジャスのネタにハマっちゃってまして、ついやってしまいました。
そんな訳で今回のサブタイの元ネタは、今期の良作枠に入るのか、ネタ枠に入るのか後半次第の「迷家 -マヨイガ-」でございます。個人の見解としては、良作続きでやや疲れた水島先生がぶっ壊れた作品やりたくなっちゃった末の作品と捉えているので、今後もネタ方向に突っ走っていただきたく存じます。
さて、裁判所の撮影も終わり、恒例のお散歩タイムなのですが、この八日市近辺で凧を見に行くでも、額田王関連を探りにいくのでもなく、ちょっと電車で移動します。
ちなみにこれ以降は、完全に某人気アニメの聖地巡りとなりますので、興味の無い方は閉じていただいて結構です。来週またお会いしましょう。
目指す場所は八日市駅から近江鉄道で彦根方面に20分ほど乗った先にある、
この豊郷駅にあります。駅名標からかなり年季が入っておりますが、
駅のホームもなかなかのもの。ゴールデンウィークにわざわざ降りるところじゃない、と言いたいところなのですが、僕以外に明らかにそっち系の方が降りて行かれたので、改めてこの作品のファンの熱に驚かされます。もう7年前くらいの作品なのに...。
駅に建ってる、よーわからんものにも「ようこそ聖地へ」と書かれています。まぁこの作品が無ければ、裁判所も無いし、まず降りることのない駅ですからね、そりゃあこんなことも書きますわね。
あ、でも、近江鉄道のイベントスケジュールに描かれていた
この娘の名前が「豊郷あかね」っていうのを見ると、アニメヲタによる訪問数爆上げの影響を無視できずキャラ名を「豊郷」駅にした可能性も...?そうじゃなきゃ裁判所がある「八日市あかね」にすべきだし。
駅の待合室に入ります。
意外としっかりした待合室です。ここは、きっとアニメに使われていないはず...。実は、聖地巡礼とか言いながら、僕このアニメをはっきり見たことないんです。でもその作品と知名くらいは知っていたから行ってみようかなという、言ってしまえば贅沢なニワカです。行きたくても行けない人がいるのに、興味本位で適当な気で行くなんて...。
「江州音頭のさと」と描かれたイラストがありますが、もちろんこれの聖地ではございません。
さて、駅を出てみて、目的地を目指すのですが、そのいたるところに、
こんなのが建っています。地方にたまにある、道路に飛び出しちゃいかんよという看板なのですが、それがアニメ仕様になっています。このイラストでもう分かる人は増えるでしょう。
駅から15分近く歩きまして、その目的地に到着します。
本日2度目の到着〜!!
さぁこの豊郷小学校というのがなにかというと、
名前くらいは聞いたことあるでしょう、アニメ「けいおん!!」の主人公らが通う学校のモデルとなっている小学校なのです。実際アニメの画像と比べてみますと、
こんな感じで、似ていることがわかっていただけると思います。
ちなみに触れてきませんでしたが、駅からこの小学校までの間、
こんな感じで、「けいおん!!」のイラストやら、それを意識したと思われるロゴで町案内したりと完全に浸かっております。
ただ、ここまで社会現象になった作品の聖地が、普段あまり外からの人が来ることの無い地だったためか、マナーについて言及されるニュース記事なんかもよく目にしましたし、果てには、
こんな投稿もされる始末。まぁ気持ちはよくわかります。僕と一緒に電車降りた男性もなかなか大声でヲタトークしていましたし...と、裁判所を見るだけで興奮する変態が一言。
豊郷小学校に話を戻しましょう。
この小学校、単にアニメの舞台とされている訳でなく、設立当初(昭和12年)では当時最先端の設備を惜しみなく使用し、総工費は豊郷町の予算10倍に相当する額がかけられ「白亜の殿堂」などの異名を取ったことなどでも有名。
なんでそんなお金をかけられたかというと、当時の丸紅の専務取締役だった古川鉄治郎がこの豊郷小学校出身で、私財を投げ打って建設したのだとか。それどころか、この豊郷町、伊藤忠商事、丸紅の創業者である伊藤忠兵衛の出身地なのです。僕も伊藤忠の専務として鼻が高いですよ。もちろん嘘ですが。
ちなみにこの校舎は現在、老朽化のため授業などでは使われておらず文化財として開放されています。
そんな訳で中に入っていく訳ですが、さっきも言った通り本腰入れて見ていたアニメじゃないので、何がなにやらさっぱり。適当に画像だけ乱暴に上げていきます。
まぁこんな感じですかね。それにしてもすげぇ人いたよ。八日市駅から東近江簡裁に向かうまでにすれ違った人の数より明らかにいた。
これ2009年のアニメだぜ、よくもまぁ熱がここまで続くもんだ。今でこの状況なら、放送直後はと考えると頭が痛くなる。
まぁでもこのような町にも(と言ったら失礼ですが)、調べてみたらいろいろ歴史的背景があったり、日本国内調べればまだまだ楽しい場所って絶対あるんです。アニメがきっかけでも、高校野球でも、なんでもいいですけど是非いろんな町に目を向けてみませんか。
自分の価値観が広がるのもそうですし、今住んでいる町についても見る目が変わるかもしれないですよ、と、東京の実家を捨てて「ワイは関西人や!」と抜かしている男が何か申しております。
そんな訳で、近くには商業の鉄人を生み出した町があり、古くは額田王の歌での舞台に使われ、現在も凧などの文化を継承しているなど調べれば調べるほど味が出る東近江市の東近江地裁
お薦めです!
文章書きながらちょい足しちょい足しでいろいろ学ぶのが面白いなぁと思ってふと調べてみたら、旅行地理検定という試験があるらしい。
受けたい!